同じ26歳の2人の若者のあまりにも違う運命について考えさせられた。1人は北アフリカ、チュニジアの政変、いわゆるジャスミン革命に火をつけたことで象徴的な存在となったムハンマド・ブアジジ氏。もう1人は世界で5億人のユーザーを誇る会員制交流サイト「フェースブック」の創設者、マーク・ザッカーバーグ氏だ。 先月この欄でインターネットの拡大と進化が市民の力を増していくという議論を<「相互接続権力」が導く「驚くべき時代」とは>と題して紹介したばかりだが、新年早々の出来事はまさに驚くべきことだった。 カルタゴはじめ歴史遺産に富む風光明媚(めいび)な観光国というイメージだった同国だが、そこに住む人々は実は爆発寸前だったのだ。詳細は不明だが独裁国家がネットの検閲や情報遮断に失敗し抗議の市民に屈したという経過のようだ。周辺のアラブ諸国にとどまらず気が気でない独裁権力者は多いかもしれない。 そのブアジジ氏である。