鉄道での自殺が後を絶たない。国土交通省によると、平成24年度は全国で631件(30分以上の遅延などを生じる)で前年より30件も増えた。自殺の抑止効果もあるとされるホームドアの普及も進むが、歯止めがかからない。「根本的な策は見えない」。鉄道関係者らは頭を痛めている。 今月8日午前、首都圏の鉄道担当者は人身事故の一報に時計を確認し、思わずため息をついた。埼玉県ふじみ野市の東武東上線踏切で、男性が遮断機をくぐり抜け、はねられた。自殺とみられるという。午前10時28分。「以前は影響の大きくなるラッシュ時の自殺はほとんどなかった。最近は一般論も通用しないくらい頻繁に起きる」(担当者) 国交省によると、輸送障害のうち、自然災害や車両故障など鉄道会社内部の要因を除いた、自殺を含む「部外要因」の件数は増加傾向にある。平成4年度は636件だったが、24年度は2千件を突破し、2231件に達した。 増え続