カメラや計器類はすべて眠っており、さらに目標に接近すると、スタートラッカーさえも電源を落とされて、探査機は目隠し状態で飛んだ。 理屈に合わないように思えるかもしれないが、これが探査機の安全を確保する唯一の方法なのだ。 軌道に突入するため、ジュノーは大きな試練を乗り越えなければならなかった。かつてどんな探査機も経験したことのないほどの、強力な放射線帯の中を飛行する必要があったのだ。「なによりやっかいなのは、どんな問題が起こるのか、まるで予測がつかないこと」と、同ミッションの放射線モニタリング部門を率いるハイジ・ベッカー氏は語っていた。 リスクを下げるために電源をカット 木星の磁場は非常に強力で、周辺の電子をほぼ光速まで加速させて激しい荷電粒子の嵐を引き起こし、繊細な電子機器を容易に破壊してしまう。 そのため、ジュノーの機器は重さ180キロのチタン製の保護筐体をはじめ、数々のシールドによって厳
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