モナ島に数多く点在する洞窟から見つかった壁画は、スペインによる植民地時代初期のもの。石灰岩の壁面にカルバリ山の3本の十字架が描かれ、その下にイエスの名がラテン語で刻まれている。(PHOTOGRAPH BY JAGO COOPER) プエルトリコの西66キロにポツンと浮かぶカリブ海の孤島。石灰岩からなる島の洞窟の懐深くで、考古学者の一団が壁一面に文字や絵が描かれた見事な地下画廊を次々に発見した。描いたのは島の先住民とヨーロッパからやってきた初期の入植者たちとみられ、全く異なるふたつの世界観が初めてこの島で出会った当時の様子もうかがわせる。この調査結果は、7月19日付で考古学専門誌「Antiquity」に発表された。(参考記事:2003年3月号「自治に揺れるプエルトリコ」) 面積わずか49.2平方キロのモナ島には、約200個の洞窟がある。調査団はそのうち70個を調査し、先住民の遺した壁画は20