さまざまな映画から社会事象まで痛快に斬った批評集『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』が話題のイギリス文学者・北村紗衣さん。新著『べつに怒ってない』を上梓した武田砂鉄さんと特別対談が行われた。 編集者が止めた5倍変なタイトル 武田 初めまして。新著『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』、とても印象的なタイトルですね。前の単行本が『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』でしたから、この、平松愛理の『部屋とYシャツと私』的なゴロの良さは、何かこだわりがあるんですか? 北村 いや、特になくて。各誌に書いた映画批評も多く収録した本なのですが、編集者の方からの提案で決めました。毎回、最初はこの5倍くらい変なタイトルしか思い浮かばないんですよ。 武田 それは編集者が止めますね! 本題に入る前にまずお聞きしたかったのが、本書に、子供の頃に水道管が背中に刺さったエピソードが出てきますよね。いったいどうしたらそん
