以前、あるところで講演を終えて、さあ帰ろうと会場の出口まで差しかかった時、若い男の人がニコニコしながら近づいて来て、 「いやあ、今の話はロックだなあ!!」 と、感に堪えないという風情で言うのです。 私は「岩」のことか思って、 「そんなに堅い話でしたかねえ・・・」 ところが、彼の言う「ロック」は、「岩」ではなく「ロックンロール」の「ロック」だったのです。 およそ音楽に疎い私ではありますが、「ロック」というジャンルの楽曲には、どこか反抗的というか、反体制的というか、常識外というか、その種のプロテストの気概とアウトサイダーの自意識があるように見えます。 では、私の話にもそういうとことがあるのか? さらに、私自身には、仏教をベースに話している自覚あることからして、仏教にも「ロック」なところがあるのだろうか? もし「ロック」に反抗的・反体制的・常識外的要素があるとするなら、不可避的に矛盾が出てきます