第96回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞にノミネートされたほか、ゴヤ賞を含むさまざまな賞を獲得した、スペインの映画作品『ロボット・ドリームズ』。『ブランカニエベス』(2012年)により、すでに名声を得ているパブロ・ベルヘル監督が、サラ・バロンのグラフィックノベルを基にして完成させたアニメーション作品である。そんな『ロボット・ドリームズ』が日本で公開されるや、感動的な内容が口コミで拡散され、話題となっている。 そのなかでも目立っている感想が、「ラスト数分で号泣……!」といったもの。全体に切なく寂しい雰囲気が流れる本作『ロボット・ドリームズ』は、終盤で“熱量”が急激に増加し、その勢いが観客の感情を大きく揺り動かしたのである。 しかし本作はなぜ、日本の観客に受け入れられ、ここまで感動の渦を巻き起こすことに成功したのか。ここでは、本作の内容と日本の文化との共通点について考えながら、その“熱量