鉄道業界のガリバー・JR東日本に逆らえる鉄道会社はない――。 長らく、鉄道業界ではそういわれてきた。東日本旅客鉄道(JR東日本)は周知のように、旧国鉄分割民営化によって誕生したJR7社のうちの1社にすぎない。とはいえ、東京圏に路線網を有しているだけに、近年は所有する不動産をフル活用して不動産とそれに付随する小売業で収益を上げている。東京都心部をぐるりと囲う山手線はさながら万里の長城のようで、この内側に私鉄はほとんど入り込めていない。 そんなJR東日本の牙城が、揺らいでいる。その遠因が、このところJR東日本管内で頻発する遅延トラブルだ。今年に入って大規模な遅延トラブルがJR東日本管内、しかも東京圏で目立っている。遅延の件数自体は昨年から大きく増えたわけではないのに遅延トラブルが目立つようになったのは、3月から運行を開始した上野東京ラインによるところが大きい。 上野東京ラインは、これまで上野駅