宮内庁と堺市は15日、同市堺区にある日本最大の前方後円墳「大山古墳」(仁徳天皇陵)について、今月下旬から共同で発掘すると発表した。古墳の保存のための基礎調査だが、歴代天皇や皇族の陵墓を宮内庁が外部機関と共同で発掘するのは初めて。宮内庁は「周辺の遺跡や古墳に関する知見や調査経験を持つ堺市などとの連携は適切な保存につながる」としている。 【大山古墳(仁徳天皇陵)、今回の発掘箇所は?】 大山古墳は全長約500メートルで、墳丘を三重の濠(ほり)が巡る。埋葬者は学術的には確定していない。調査は10月下旬~12月上旬、埴輪(はにわ)列などがあったと考えられる最も内側の堤(幅約30メートル)に幅2メートルの溝を3カ所掘り、堺市の学芸員1人も共同で調査や報告書作成などを行う。宮内庁陵墓課は今後、堤の別の部分や墳丘本体の裾部分の発掘も検討している。 宮内庁は全国の陵墓への立ち入りを原則認めず、単独で調査して