<両親が管理職の割合も一般家庭より高く、東京・関東圏出身は5割を超える> 2023年春の18歳人口ベースの大学進学率は57.7%。同世代の6割近くが大学に進学する。1955(昭和30)年では7.9%でしかなかったこととくらべると、大幅な増加だ。 アメリカの社会学者マーチン・トロウは、進学率に依拠して高等教育の発展段階を区分している。進学率15%未満はエリート段階(進学は少数者の特権)、進学率15~49%はマス段階(進学は権利)、進学率が50%を超えるとユニバーサル段階で、進学は万人にとっての義務のようなものになる。今の日本は、まぎれもなく最後のユニバーサル段階に入っている。 このステージでは、高い社会的地位に就くためには大学の中でも入試難易度の高い有力大学に入ることが重要となる。教育が「生まれ」とは異なる公正な社会移動の手段として機能しているかを見るには、有力大学の学生の家庭背景を観察する