幻覚剤と精神医学の最前線 作者:デヴィッド・ナット草思社Amazon近年、LSDをはじめとした幻覚剤の有用な側面を捉え直す研究が活発だが、本作もそうした流れに連なる一冊である。著者は精神科医・神経精神薬理学の教授で、幻覚剤を使用した際の脳内の影響について数多くの論文を発表している人物だ。 「幻覚剤の有用な側面」とひとことでいっても、これは非常に限定的な話で注意が必要だ。たとえば、抗うつ剤を十分量で十分期間(1〜2ヶ月)使っても本来の調子とならない治療抵抗性のうつ病のように限られた精神疾患にたいして、十分に量がコントロールされた幻覚剤を、セラピストの診察と共に服用することで、治療に効果が現れるエビデンスが上がってきている──という、何重もの前提があっての話である。 得体もしれない連中がそのへんで売っている、何が混在しているのかわからない幻覚剤を、うつ病に効くから──といって好きなだけ使って良
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