今回の秋葉原通り魔殺人事件は、私たち誰もがいつ迷い込むかもしれないネットとリアルの挟間にある“ラビリンス(迷宮)”の存在を、改めてクローズアップしました。 バーチャルと現実の境目が曖昧に 私が考えるラビリンス(迷宮)とは、ネットのバーチャルな世界とリアルワールドを行き来するうちに、双方がシームレス(継ぎ目のない状態)になっていき、自分が本来どこにいるのか、何をしているのかが、分らなくなって迷い込んでしまう場所のことです。 児童文学“不思議の国のアリス”でアリスは白ウサギを追いかけて穴の中に飛び込み、パラドクスと不条理と非現実の、地下世界の夢の中へと落っこちてしまいます。 映画“バック・トゥ・ザ・フューチャー”では主人公マーティーがタイムマシン・デロリアンに乗り込みカーチェイスの末、30年前にタイムスリップしてしまいます。 しかし、アリスはお姉さんのいる木の下で目を覚まし、現実の世界に戻って