22:56本館に書いたことの補足というか、ぶっちゃけた話、医者になった当初は、「ビタミンK欠乏による頭蓋内出血」というのは「ありうる」ことだったのだ。自分もいつぶつかるかわからない、リアルな脅威。これは怖かった。なにしろ、どの子がそうなるか、なってみないとわからないのだ。そしてわかったときには手遅れ、とまでは言わないまでも、相当に困難なたたかいを、その子も、親も、医療者も、強いられてしまう。だから、「予防としてのK2シロップ投与」という方法が確立され普及してきたことは、私たちにとっても、ひとつ懸案が晴れるというか、荷が軽くなるというか、そういうことだった。もちろんK2シロップを投与しているから100%安心、とまでは言えない。それでも、リスクがぐんと減っている、というのは、それだけで、診療に余裕を生むものだ。そのように積み上げられてきた歴史と、その確実な成果を、ちゃぶ台ひっくりかえすみたいに