7月29日、自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」が開かれた。席上、座長の大村秀章衆院議員は、救急救命に関係した医療事故に限定して医師らの刑事責任を免除するという刑法改正の私案をぶち挙げた。 大野病院事件が立件されたことで、「最善を尽くしたつもりでも逮捕されるのでは、医療が成り立たない」と萎縮(いしゅく)している医療界にとっては心強い制度だ。 大村座長は興奮気味に続けた。 「医療事故調(医療安全調査委員会)構想に懸念を示す一部の医師もこれなら乗れる。医療事故調の設置法案とセットで国会提出したい」 免責範囲を救急救命に限定したのは、専門領域以外の重篤患者に緊急処置をする必要があり、事故と隣り合わせだからだ。当然、他の診療分野や被害者や遺族からも反対の声があがるだろうし、現行法体系を崩し、医者に“特権”を与えることには法務省の反対も容易に想像できる。 「法務省は渋い顔をしていた。簡単に通るとは