民主主義をどう刷新していくか、この古くて新しい問題に、インターネットを通じての試みをしようと、津田さんの新しい著作は呼びかける。特にオープンガバメントの動きが本書の主題だ。 冒頭の章「政治的無関心は何を引き起こすか」では、政府の法案の成立過程、特に審議会を舞台にした利害関係者だけの関心で決まることが、いかに国民の一般的な利益を無視しているかが、記述されている。違法ダウンロード問題や著作権の延長問題など、津田さんの実際の反対運動の「成功」と「失敗」の体験と、そこから何を読み取るべきだったかが明らかにされている。 「審議会がこのようなクローズドな場であるならば、重要なのは、あらゆる議論において透明性が確保され、誰もが情報にアクセスできるオープンガバメントを実現することだ」 「特定業界のロビーイングによって、多くの利害関係者が蚊帳の外状態になり、不透明な形で法律があらぬ方向に変わる……そうした厄