対人関係などに困難を抱える、発達障害の一種「自閉症スペクトラム障害(ASD◎)」を画像で判別できるようになってきた。従来の診断方法だけでは見落としたり、誤診を招いたりしたが、画像診断装置の進歩で、障害の傾向を数値で表せるようになった。ASDは、幼児期にコミュニケーションの訓練を始めれば、ある程度は社会性が向上するとされており、画像装置での早期発見が期待される。 (村上和史) ◇診断の壁 福井大や金沢大などのチームが研究を進めている。 チームを率いる福井大の小坂浩隆・特命准教授によると、従来のASD診断は、問診や行動観察を重ねて確定させる。ただ、患者の個性と区別できる客観的な指標がないため、長期間見過ごされたり、うつ病などと誤診されたりするケースが後を絶たなかったという。 客観的な診断指標が求められる中、2000年頃から、脳血流が増えた部分を赤色で示す機能的磁気共鳴画像(fMRI)などを使