つまり日本の食品物流は国際的にも強い競争力を有している。ところが、日本の食料品の値段は明らかに割高だ。鶏卵を例外として主要な食料品はことごとく高い。 日用雑貨品の効率的な中間流通とは逆 国内の農業部門の生産性が低いことや、輸入食品や輸入飼料に高い関税がかけられていることは周知の通りだが、中間流通にも大きな問題を抱えている。 以前にこのコラムで、物価高とされる日本でも日用雑貨品の値段は決して高くない、それは効率的な中間流通があるからだと書いた(「物価高な日本で日用雑貨品だけが安い理由」参照)。食料品はその逆だ。 農林水産省の調査(平成20年度「食品流通段階別価格形成調査」)によると、青果物主要16品目の小売価格に占める流通コストは平均で57.1%となっている。 小売りの取り分の24.4%のほかに、仲卸に8.4%、卸売に4.9%、農協・経済連に19.3%の、合わせて32.6%の中間マージンがか