突然ですが、みなさんはパリに対してどのようなイメージを持っていますか? 恋の街? ラテンの血が騒ぐ陽気な人々? それらも間違いなくパリの一面ですが、フランスかぶれ歴約10年の私からするとこの街の魅力は、意外にも物憂い性質にあると感じています。海外から見た華々しいパリのイメージが凝縮した映画が「パリ、ジュテーム」であるのに対して、生粋のフランス人が毒気をもってパリを描いた映画「パリところどころ」に登場するしょうもなくも愛おしい人々を観た日から、それまでアメリカかぶれだった私の心はガッチリとパリに掴まれました。ポジティブでない心をも受け入れてくれるようなパリのある種おおらかな雰囲気が大好きです。心がパサパサした日はそんなパリに行きたくてたまらなくなるのですが、仕事の都合などでなかなか思うように行けません。本稿では、そんな時に訪れる、都内のパリ擬似体験スポットをお届けします。