text by Ashira/NOBODY これまでin the middleでは現行ロシアのポストパンクやファンク、それ以外にも東欧のファンクを紹介する記事を中心に書かせてもらったが、今回は時代を遡り80年代旧ユーゴスラビアのニューウェーブシーンについて書こうと思う。 今までの記事でも少し触れたように、ソ連やその構成国であったエストニア等、所謂共産圏と呼ばれている地域にも、入ってくる情報は少ないながらも豊かな音楽シーンが存在していた。それは他の東欧諸国でも同様であり、中でもユーゴスラビアの80年代に作られたニューウェーヴの楽曲の数々は、今聴いても驚くようなクオリティを持つアーティストが多数見受けられ一際大きな輝きを放っているように思う。 ここでユーゴスラビアという国について簡単に触れておこう。 ユーゴスラビアはかつてヨーロッパのバルカン半島北西部に存在した連邦共和国だ。1918年に南スラ