抗生物質耐性菌を探すため、滅菌した無塵服を着て雪を採取する研究者たち=2011年3月、チリ・パタゴニア氷原のサンラファエル氷河、瀬川高弘研究員提供 【中山由美】抗生物質の効かない耐性菌が、人間社会から離れた雪や氷の上にまで広がっていることがわかった。京都府立大や国立極地研究所など日本やチリの研究者のチームが、世界各地の氷床や氷河、雪渓の雪や氷を分析して、英国の環境微生物学誌で報告した。 研究チームが1998〜2011年にかけて、北極や南極、日本、中国、アフリカなど世界51地点の氷床や氷河、雪渓で雪や氷を集め、細菌を採取。その耐性遺伝子を調べたところ、アジアは数も種類も多く、グリーンランドでも多数確認された。南極でみつかったのは8地点中一つ、航空機が離着陸する所だけで、南緯70度以南はなかった。 瀬川高弘・極地研特任研究員は「人間の活動の影響から隔絶した雪や氷の上でも多くみつかったこと