私の暮らしかた [著]大貫妙子 1973年にシュガー・ベイブを結成し、その後ソロ活動に移って40年。今年60歳になった著者の心構えは〈足りないものがあっても、今の暮らしは自分で選んできたものであると納得して生きる〉。2006年から今夏まで雑誌に連載したエッセーが本に。両親との葉山の家での静かな暮らし、庭に遊びに来るノラ猫との時間、エアコンなしで過ごす夏、湯たんぽを愛用する冬、東北に田植えに行ったり、皮むき間伐ツアーに参加したり……。「こうしたい」という思いのある真っすぐな暮らし方が心地よい。結婚しろとも孫の顔が見たいとも一度もいわなかった母親が昨年、突然倒れた。母を見送ったことをつづった一節「お母さん、さようなら」に胸があつくなる。 ◇ 新潮社・1680円
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