実家に帰ったある日、父にこう言われたのだ。 「おい、塩豆腐って知ってるか」 えっ?! 驚いた。塩豆腐。知っている当然だ。豆腐に塩をなすりつけて丸1日寝かすと豆腐がねっとりクリーミーになるという食べ方であり、おととしから去年くらいにかけてネットで大流行したレシピである。 テレビや雑誌などでもかなり取り上げられたようだが、塩豆腐というとやはりネット発であり、どこか「ネット文化」のようなイメージが私にはあった。言葉的には「リア充」なんかと同じような意識だったのだ。 それを、サラリーマンを引退していまや1日ナンクロとウォーキングをして過ごす父が知っているという。 食ってすごい。改めて思った。ナンクロ雑誌しか読んでない父の元へも届く壁を越える力の強さ。そうかこれが食文化か。