「大地の子」や「白い巨塔」など、社会派の長編小説で知られる作家の山崎豊子さんが、29日、心不全のため入院先の病院で亡くなりました。 88歳でした。 山崎さんは大阪の出身で、大学を卒業後毎日新聞社に入社し、学芸部の記者として働きながら、当時の上司だった作家の井上靖さんの指導で小説を書き始めました。 昭和33年に「花のれん」で直木賞を受賞したあとは、文筆活動に専念して社会派の長編小説を次々と発表しました。 大学病院や医学部が抱える問題点を鋭くえぐった「白い巨塔」や、銀行を舞台に政財界の人間模様を描いた「華麗なる一族」、それに、綿密な調査と取材で中国残留孤児の生涯を描いた「大地の子」など、小説の多くは映画やテレビドラマになりました。 平成3年には菊池寛賞を受賞しました。 山崎さんは、70歳を過ぎても精力的に執筆を続け、平成11年に発表した「沈まぬ太陽」は航空会社を舞台に逆境に立ち向かうサラリーマ