欧州において単一通貨を導入しようとする構想は,古くは第二次世界大戦前から存在したが,具体的に動き出したのは,1989年に欧州共同体(EC=後の欧州連合EU)がEMUの完成へ向けて,以下の具体的なロードマップを定めた以降である。 第1段階(1990年7月-1993年12月):域内市場統合の促進 人,物,サービスの移動の自由化 中央銀行総裁会議(EC各国の中央銀行総裁の集まり)の機能強化 第2段階(1994年1月-1998年12月):マクロ経済政策の協調強化 経済収斂基準の達成(ユーロに参加する条件として各国が物価安定性,健全な財政等,定められた基準を達成する) 欧州通貨機構(EMI)の創設 1998年5月に第3段階当初からの参加国を決定 第3段階(1999年1月から):経済通貨統合の完成 単一通貨ユーロの導入 欧州中央銀行(ECB)による統一金融政策の実施 2002年1月よりユーロ貨幣の流通