「人類にとっての大きな一歩」まで、ソ連もあと一歩だったようです。 人類初の月面着陸といえば、1969年、米国のアポロ11号によるものですね。東西冷戦のまっただ中、アメリカの技術力を世界に見せつけたかのようでした。 でも、ソ連の宇宙開発に関する調査研究で知られているチャールズ・ヴィック氏によれば、ソ連のアポロ計画にあたるソユーズL3計画も、同時期にかなり成功に近づいていたようです。「スプートニク計画以前にまでさかのぼって機密解除された情報を総合すると、(米国とソ連の間の)レースは一般に認識されているよりはるかに接戦だったと考えられます」とヴィック氏は語っています。 彼によれば、ソユーズL3計画が失敗に終わった原因は技術力不足ではありません。それより、ソ連のデザイン局内での対立や、他のミサイルや宇宙関連プロジェクトからの人材・資金ニーズなどの諸事情で、結果的に成功にこぎつけられなかったというの
