アニメやマンガだけでなく、人間の特徴を表す言葉としても浸透している「キャラクター」という概念について、東浩紀氏(批評家・作家)と斎藤環氏(精神科医・評論家)が議論する番組が2011年4月12日、ニコニコ動画で生放送された。斎藤氏の最新のキャラクター論には、東氏の著作『動物化するポストモダン』に批判的な面があり、両者の丁々発止のやりとりが期待された。しかし東氏は、東日本大震災前の自身の著書について「黒歴史みたいなもの」と自嘲気味に語り、議論に積極的ではなかった。 東氏は3月11日に発生した東日本大震災以降、自身の中で大きな変化があり「ニュー東」「東3.0」になってしまったと語った。ゆえに番組のキャラクターとは何かという問題についても、思考することの虚(むな)しさを感じるという。キャラクター的想像力を支えていたのは「平和で豊かな日常」であり、その日常が大きく変わってしまったことがその原因である