現代社会を侵食する「被害者文化」の病理…暴走する「被害者意識」身勝手な「社会正義」とどう向き合うべきか? 「やさしさ」を免罪符に 《「社会正義運動」が──何よりも「アイデンティティ・ポリティクス」あるいは「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」という形で──社会にもたらす影響は、いやでも目に付くようになってきた。毎日のように、性差別的、人種差別的、ホモフォビア(同性愛嫌悪)的と解釈される発言や行動で、クビにされたり「キャンセル」されたり、あるいはソーシャルメディアで炎上したりする人が出てくる。 時にはその糾弾が正当なもので、その差別主義者──みんな自分とはまったくちがうと思っている人物──が、その醜悪な思想について「当然の報い」を受けていることに安心できる。だがそうした非難が変な深読みに基づくもので、屁理屈の糾弾になっている場合がますます増えている。》 米国で出版され、ウォールストリ