件の本「キーワードで探るこれからの理科教育」で感じたのは、議論の素朴さなのだけれど、それを簡単にいうとこんなふう。 まず、「実在と非実在」をめぐる世の議論として、こういうふうな流れがあったとします。 (1)仮説を立てて実験したりしているうちに、分子や原子や電子というものがあれば、いろいろなことが説明できることが分かりました。それで、分子や原子や電子といったものも、実在だと思うようになりました(素朴実在論)。 ↓ (2)でも、まてよ、本当に実在するのだろうか。目に見えないんだし、原子や電子なんて、理論上の「構成物」なんじゃないだろうか(素朴非実在論) ↓ (3)とはいっても、それをいったら目に見えるものだって実在しているのか分からないわけで、まずいんじゃないの。我々の日常生活だって危うくなるし、なにもかもが「構成」なら科学がこうも「成功」していることも説明しにくい。やっぱり、実在と言