「わからないことがあったら質問してね」
誰もが新人の時に一度は言われたであろうこの言葉。この言葉があるのと無いのでは、質問するハードルが大きく異なるので、新人にとってはとてもありがたい言葉だと感じる一方で、こう思ったことはないだろうか?「そもそも、”何が分からないか”わからない」
かくいう私自身も、会議や打ち合わせの場でその状態になり、その場では、良い質問も思い浮かばず、後になって「これを質問しておけばよかった!」と後悔した経験がなんどもある。そのため、今回はどうしたら「何がわからないのかが分からない」という状態を回避できるのか?その改善策についてまとめてみたいと思う。
そもそも、その「何がわからないのかが分からない」という状況になってしまう主な原因は、その内容について「なんとなく」理解してしまっていることだと考えている。入社したばかりの頃や、初めての業務内容でそう感じるのは仕方がないのかもしれないが、しばらくたっても同じように感じているのであれば、それはその仕事の内容をよく理解しきれていないということだろう。
「なんとなく」わかったような気になって、自分の中の疑問を掘り下げるということをしていないから、質問も思いつかない。そうなってしまうと、自分の欠点や弱点に気づけていないので、なかなか状況が改善せず、いつまでたっても仕事ができるようにならないという悪循環に陥ってしまう。
つまりは、「なんとなく」という感覚こそが一番の敵なのだ。
ではその「なんとなく」という感覚を減らし「何がわからないのかが分からない」を改善するためにはどうすれば良いのか、私が日々実践している改善方法を3つのポイントにまとめてみた。
「なんとなく」を減らし、理解を深めるためには、日常的に自分の考えを掘り下げることを習慣化する必要がある。そのためにはどんな小さなことでも、日々の気になったこと、感じたことを掘り下げて考える癖をつけると良いだろう。
例えば「このポスターのデザイン好きだけど何故だろう?」とか「この本は面白かったけどどうしてそう感じたのだろう?」という感じだ。日常の何でもないことから、掘り下げて考える癖をつけておくことで、仕事の中でも疑問点や気になった点を「なんとなく」という曖昧な感覚ではなく具体的に把握できるようになる。
仕事で「なんとなく」という感覚が抜けない、という人はもしかしたら、その内容を自分事の問題として捉えられていないのかもしれない。「自分にはあまり関係ないな」「誰かが何とかするだろう」という感覚は、物事の理解を深める大きな障害となる。
一般的に、人は他人の問題にはさほど興味はない。自分にも関係する問題だと認識してはじめてめて、深く理解しようと行動する。そのため、「なんとなく」を減らすためには、今までは、関係ないと他人事で考えてきていた物事も、自分にも関係のある自分事として捉えてみると良いだろう。
頭で理解していても、いざ言葉にして説明しようとすると、うまくまとまらないということはないだろうか?やはりそれも頭の中で「なんとなく」理解した気になっていることが原因だ。
なので、疑問に感じたことや、他の人に向けて説明しなくてはならないことは、ちょっとした内容でも、頭の中だけでまとめるのではなく、一度文章に書き起こしてみると良いだろう。
上手くまとめめられればそれで良し、うまくいかない場合は、再度考え直すきっかけになる。それを続けていくことで、段々と文章に書き起こさなくても、頭の中だけでうまくまとめられるようになってくる。
初めは少し手間に感じるかもしれないが、「何がわからないのかが分からない」を改善するためには、考えの言語化を習慣づけることがが一番の近道だと言えるだろう
私自身も、ついつい「なんとなく」という感覚で物事を捉えてしまいがちで、いまだにうまく説明できなかったり、質問ができずに後悔することがある。でも「なんとなく」で考えてしまうという自分の弱点を自覚する前と、自覚したうえでこの記事で述べたの3つのことを実践する前とでは、その頻度が大きく減った。そのため、これらの方法は、時間はかかるが間違いなく改善につながっているのだと実感している。
具体的なデザインツールの使い方や、勉強方法とは異なり、個人個人の感覚の話になってしまう問題だが、私と同じように「MTGでうまく質問できない」や「作業を始めてみないと疑問点に気づけない」とう悩みがある人は、この記事の3つのポイントを実践してみて欲しい。考え方ひとつで、「うまくいかないな」というモヤモヤが解消される場合があるということを共有できていれば嬉しい。