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【世界の働き方事情・フランス】サービス残業も通勤ラッシュもある!フランス人の働き方

コラム

【世界の働き方事情・フランス2】サービス残業も通勤ラッシュもある!フランス人の働き方

海外在住ライターや海外で働いた経験を持つライターが、各国の仕事事情を紹介するシリーズ「世界の働き方事情」。今回は、意外と知られていないフランス人の働き方を現地在住ライターが紹介します。

フランス人の働き方にどのようなイメージを持っているでしょうか? バカンスが多いからあまり働かない? フランス社会を覗いてみると、イメージとは違った実像が見えてきました。

首都圏は通勤ラッシュがストレスに!

フランスでは首都圏と地方では通勤事情が異なります。交通機関が発達していない地方では車通勤がほとんどですが、首都圏では電車、バス通勤が一般的。大都市であるパリは通勤ラッシュもあり、満員電車に揺られて通勤することが当たり前です。

パリと郊外を結ぶ主要な鉄道A線は、1日約130万人もの乗客を運び、通勤ラッシュの時間帯にA線を利用する人は約64万人に上ります。私も実際に通勤ラッシュ時に何度もA線を利用しましたが、車内はスペースがないほどの混みようでした。

パリではこの通勤ラッシュにストレスを感じる人が続出。「こんな通勤ラッシュの電車に乗るのは苦痛でしかない」という声も聞こえてくるほどです。近年では、そんな通勤ラッシュを嫌う若い人を中心として自転車通勤がかなり増えました。

特にコロナ禍以降は政府の推奨もあり、パリでは自転車専用レーンも年々増設されています。通勤ラッシュのストレス解放されるだけでなく、自転車通勤は運動にもなっていい!という理由から、自転車通勤する人は年々増えてきています。

実はサービス残業も多いフランス

フランスの勤務時間は週35時間と規定されています。基本的に週5日の7時間勤務です。日本の週40時間の勤務時間に対して5時間も少なく、先進国の中でも勤務時間は短いほうです。

しかし、フランス人が実際に週35時間しか働かないかというと、そういうわけではありません。現実に週35時間勤務では仕事が回らないということも多々あります。特にオフィスワークは35時間のみで仕事が片付くなんてことはなく……。

それにフランスでは管理職(カードル)は結果を求められます。そのため、管理職には労働時間のみ働くという概念はありません。管理職の人の話を聞いてみると、サービス残業をするのが当たり前。これってなかなかブラックなのでは?と思うほど、長時間労働する人も中にはいるのです。

子育て中の女性は時短勤務が多い

フランスでは、子育て中の女性が時短勤務、「週4勤務」というケースも少なくありません。地域にもよりますが、フランスの幼稚園と小学校は水曜日が休みか午前中のみとなっています。そのために子育て中の女性が水曜日を休みとする「週4勤務」を選ぶことが多々あります。

法定では3歳まで80%勤務が認められていますが、多くの企業がそれ以降も「週4勤務」を認めています。「週4勤務」を申請して簡単に企業は受け入れてくれるのだろうかと疑問に思いますが、快く受け入れてくれる企業が多いのだとか。給料は80%に減ってしまっても、仕事と子育てを両立できるので、子育て中の女性にはありがたい制度といえます。

今回はフランス人の働き方について紹介しました。フランスにも通勤ラッシュやサービス残業があり、意外にも日本と変わらない実情がありました。次回は「フランスの休み方」についてお伝えします。

[参考]
Île-de-France Mobilités

[文/北川菜々子]

2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。

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