Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
メインページに戻る

AI で日本のさらなる可能性を 〜 Google for Japan 2024 〜

Google for Japan と書いてある画像。

本日開催した「Google for Japan 2024」において、日本社会のさらなる発展に貢献するため、AI を活用した新たな取り組みを発表しました。Google は、AIの力を最大限に活用し、日本のあらゆる人々の可能性を広げ、ビジネスに革新をもたらし、地域社会が抱える課題解決を加速させることを目指します。


東京大学 松尾・岩澤研究室とともに、47 都道府県の課題を生成 AI で解決

本日、Google は東京大学 松尾・岩澤研究室とパートナーシップを結び、2027 年までに日本全国 47 都道府県における地域課題の解決をサポートする生成 AI モデルの実装と AI 人材の育成を支援する取り組みを発表しました。

現在、日本は高齢化社会や労働人口の減少などの社会課題に直面しています。AI をはじめとするテクノロジーはそうした社会課題を解決する一助となり得ると考えています。

例えば、 AI を活用することで、労働力人口が減少する中で一人ひとりの創造性や生産性を向上させること、産業構造の転換を図りながら企業の競争力を高めること、そして、高齢化が進む中で人々の健康や社会参加を支えることなどが可能になると信じています。

そのような社会課題を背景に、今回のパートナーシップでは、同研究所のコース修了生と Google のエンジニアが協力して、県の課題解決を支援する生成 AIのモデルを構築し、その実装を通して AI 人材育成に貢献します。​​第一弾として、雇用のミスマッチ解消を目指した大阪府との取り組みを開始し、今後開始予定の広島県をはじめ各地での取り組みをすすめます。


大阪府における生成 AI活用の取り組み

大阪府の生産年齢人口は 1995 年の 642 万人をピークに 2030 年には 500 万人を割り込む見込みとなっており、労働力確保のためにはシニア層の労働力の活用や、女性をはじめとした幅広い生産年齢人口の就業率を向上させることが急務となっています。

大阪府では、深刻な人材不足に頭を悩ませる企業が増える一方で、令和 5 年 3 月の卒業者のうち約 4,000 人が就業や進学に至っていないという実態があります。さらに、就業希望者の希望職種の偏り等により特定の職業に求人が集中していることも課題となっています。こうした就業希望者と企業双方における雇用のミスマッチ問題は、大阪府だけでなく日本全国の問題とも言えるでしょう。

そこで、就業率向上を妨げる要因のひとつとなっている雇用のミスマッチ解消に生成 AI を活用します。例えば、就業希望者に対しては、「 AI を用いて本人が適性に気付いていない職種の提案を行う」や「就きたい仕事にたどり着くための段階的なキャリアパスを提案する」といったアプローチが、企業に対しては「採用や広報の専門人材の確保が難しい中小企業にむけて、採用マーケティングに活用できる素材を AI で生成できるようにする」や「これまでにその会社で活躍してきた方の特性を基に、面接の印象だけに頼らない多様な就業希望者の採用を支援する」といったアプローチを想定しています。


Google 検索の新しい日本向け機能

Google ナウキャスト

天気予報は、Google 検索で最も頻繁に検索されていることの 1 つです。降水量、気温、風などの気象変数は、社会的および経済的にも大きな影響があることから、より正確な天気予報が求められています。そこで Google Research のチームは、降水予測のためのニューラル気象モデル (MetNet) という新しい AI モデルを開発しました。

日本では、株式会社ウェザーニューズとのパートナーシップを通して、MetNet-3 を基にカスタム構築された新しい雨量予測モデルを開発しました。このモデルにより、最大 12 時間先まで 5 分ごとの降水量予測であるナウキャストが表示されるようになります。ナウキャストは、来月より順次表示予定です。


ハッシュタグをつけて検索

日本ではインターネットを利用する目的として、最新のトレンドや自分の興味や関心のあるトピックを深掘りして知りたいというニーズが、諸外国と比べて高いことがわかっており、流行を調べたり共通の関心を持つ人とつながるためにハッシュタグが使われています。

そこで、Google 検索でもハッシュタグをつけた検索が可能になりました。ハッシュタグをつけて検索すると、ソーシャルメディアをはじめとするインターネット上の媒体から、タイムリーな話題やニッチな情報の検索結果が表示されます。これらの製品に関する詳細は、こちらからご確認ください。


仕事の生産性をあげる AI活用方法を学べる AI Essentials の提供を開始

AI を活用して日本の経済や社会に貢献するには、技術の発展とともにそれを活用する人のスキルアップも肝要です。Google はこれまでも、Grow with Google日本リスキリングコンソーシアムなどを通じて、AI やテクノロジーを活用して個人の可能性を支援するプログラムを多く提供してきました。それらの取り組みを通じて、多様なニーズにきめ細かく応え、様々な場で AI の社会実装をサポートできるトレーニングプログラムの必要性を認識しました。

そのようなニーズに応えるため、仕事で生成 AI を活用し、キャリアアップを目指す方々のための Google 独自の資格認定プログラム、Google AI Essentials の日本語版コース(有料)を本日より提供開始します。Google AI Essentialsは、生成 AI に関する事前知識は不要で、さまざまなポジションや業種の方が生産性を向上させるためのさまざまな AI スキルを習得できます。このコースは、AIの基礎知識から実際の仕事の場面を想定したビジネスへの応用まで、10時間以内で学べ、いつでもどこからでも学習できます。なお、Google は、主幹事を務める日本リスキリングコンソーシアムより、本コンソーシアムの新規会員を対象に、本プログラムを無料受講できるアカウントを先着1万名に配布します。


健康・医療分野における AI の活用

Google と公益財団法人がん研究会 有明病院(がん研有明病院)は、 2021 年の 11 月に日本における乳がんの早期診断と疾病管理の発展のために、AI を活用した乳がん検診の研究に向けて共同研究を行ってきました。今回、この共同研究の結果から、AI モデルを用いたスクリーニングシステムは、乳がん検出の精度を 7.6 % 向上させることがわかりました。これは、がんの早期発見の可能性とともに、治療の選択肢が増えることを意味します。この研究が、乳がんをより早期かつ正確に発見し、女性に最良の治療機会を提供するための一歩となれば幸いです。詳細はこちらからご確認ください。

また、昨年 10 月には、京都大学と高齢者の健康寿命を延伸することを目的とした、モバイルデバイスと AI を活用した共同研究を開始しました。この共同研究を通じて、高齢者の自立した生活を支援し、寝たきりや介護予防への貢献を目指します。


日本における AI の可能性に向けた提言

AI の可能性を、一人ひとりの健康や社会全体の経済的な成長、気候変動などの社会課題に最大限に活用するためには、政府や企業、市民社会が一体となり、AIの未来について幅広い議論を重ねる必要があります。私たちは、AI がもたらす可能性だけでなく、避けたい悪影響やリスクについても目を向ける必要があります。

Google は、AI 原則に基づき、大胆かつ責任ある AI への取り組みを続けていきます。本日、日本における責任ある AI の推進に向けて、「日本におけるAIの可能性に向けた提言」を公開しました。この提言では、 イノベーションインフラストラクチャへの投資、AI を活用できる人材の育成、誰もが AI の恩恵を受けられる環境の整備の 3 つの主な提案として提示しています。


Cybersecurity Research Award の開始

近年、 AI の急速な発展に伴い、その活用を安全に活用するための基盤となるサイバーセキュリティの重要性も増しています。Google は、インターネット全体の安全性を向上させるため、2023 年 10 月に日本に日本をサイバーセキュリティ研究の拠点とし、政府や教育機関、そして産業界と連携し、知識共有や研究支援、トレーニングプログラムの提供など多岐に渡る取り組みを推進しています。

本日より、国内の大学および研究機関を対象にした研究支援プログラムである Cybersecurity Research Award の募集を開始します。このプログラムでは、情報セキュリティと暗号理論を主要テーマとし、医療分野を含む幅広い分野におけるセキュリティ研究への助成や Google の専門家による技術的なサポートを提供することで、安全なデジタル社会の実現に貢献します。


Googleは、AI をはじめとするデジタル技術の力で、企業、団体、行政機関、そして皆様と共に、誰もが自由に可能性を追求できる社会、イノベーションが活発に生まれる経済の実現を目指します。AIが日本の抱える様々な課題解決の一助となり、その秘めた可能性を最大限に引き出すことで、より良い未来へと繋がるよう、今後も尽力して参ります。