レトロブームがきている。

昭和や平成の名曲、昔のアニメ、懐かしいキャラクターなんかがリバイバルヒットしているらしい。

 

松田聖子さんの「青い珊瑚礁」をNewJeansのハニさんが歌って若い世代に話題になったり、「真夜中のドア」を始めとした日本のシティーポップが世界中でリミックスされたり。

はたまた「らんま½」や「キャッツ•アイ」のリメイク版が放送されたりしている。

更には、たまごっちがスマートウォッチのようになったり、リカちゃんがYouTuberになったりと時代に合わせて進化しているのだ。

 

あぁ、なのに、なのに、、一体何故なんだ、、、どうして昔流行ったナウい言葉達は死語のままなのだ。

チョベリバ、アベック、ギャフン、マブダチ、、、

 

あの頃は、華金でオヤジギャルばかり集まったイタめし屋でも。

マブいコンサバな3高彼氏とランデブーしたギロッポンのシャレオツな店でも。

お立ち台でジュリ扇片手にブイブイいわせた後のアッシーくんのセルシオの中でも……

 

ナウいと思って飛び交っていた言葉達は、もうダサいと認定されおったまげーである。

(スムーズに解釈できたアナタの年代をお察しします)

 

ついでに言わせて頂くと、私もその年代は擦る程度しか知らないのだが、レトロブームにすっかりハマっているミーハーである。

というわけで、何かレトロなムーブメントを起こすことが出来たらマンモスうれぴーので、流行語について考察し、この記事をキッカケにレトロな流行語を、、、この私めがリバイバルヒットさせてみようと思う。

 

 

流行語とは、“ある期間、多くの人に盛んに使用される語”のことだ。(『広辞苑』)

そして、我々が日常に先んじてメディアを通じて新しいことばを知り、それを日常的に使用する機会が増えることで流行語となっていく。*1

 

つまり、何かしらのメディアが起爆剤となるならば、あわよくばこの記事を発端に死語を流行語に変換する事だって不可能じゃないはずだ。

しめしめ、さすればバッチグーである。

 

さて。まずは注目されなくては。

大衆に注目されるには、今話題になっているテーマに乗っからなくてはならない。

どんな話題だって厭わない。大衆の目に留まればいいのだから。

 

今話題になっているのは何だろう、、、

そう、良くも悪くもテレビ業界なのだ。

 

しかも2024年の流行語として、『ふてほど』が選ばれている。

レトロブームに関連しつつ、テレビ業界と関わりの深い死語、それはズバリ業界用語なのだ。

とはいえ、シースー、ザギン、ジャーマネ、といった入れ替え言葉が多いが、現代の日常生活では使用する機会の少ないワードばかりだ。

それでは流行語の定義から外れてしまう。

 

流行語というのは、生産性・創造性の高い言語が定着率を高くさせ、普及されていくという仕組みだ。*2

ならば、まずは日常生活でも使いやすい業界用語をピックアップしてみよう。

 

例えば “ ちゃんねー(お姉ちゃん) ”、“ クリソツ(そっくり) ”、“ シーメー(食事) ”、このあたりは使い易いのではないか?

なんだ入れ替え言葉ばっかりだな。

 

と、思いきや……

“ てっぺん(夜中0時のこと) ”、 “ パンピー(一般人) ”、“ ケツカッチン(次の予定までギリギリの意) ” という言葉もあるようだ。

これは面白い。

だがしかし、これらの死語をそのまま使うのは流行に敏感な若者からすると抵抗があるはずだ。

 

冒頭でも述べたように、レトロブームだってただ昔のままを流行させているわけではないのが分かる。

昔の良さを残しつつ、現代風のアレンジを加えなければならないのである。

 

ならば、業界用語をそのままに、現代風の言葉とガッチャンコしたら良いのではないか?

 

……よしよし、見えてきたぞ流行語への扉よ。先程ピックアップした言葉に現代の風を吹かせてみよう。

 

現代で流行する所謂 “ 新語 ” について分析してみると、新語が作り出される典型的なパターンには、既存の語を短くする省略言葉と、既存の語をつなぎ合わせる合成言葉の2つのパターンがあるらしい。*3

 

現代で流行っている省略言葉を例に挙げると、“ ま?(まじ?の意) ”、“ りょ(了解の意) ”などがある。

同じように業界用語を省略してみると、“ ちゃんねー ”なら“ ちゃん ”なのか?

これはちょっとレトロ感が異なる。

 

それなら合成言葉はどうだろう。

“ Z世代(1990年代半~2010年代生まれの世代) ” や “ オタク界隈(アニメ等のオタクのコミュニティや場所、文化などを指す) ” などといった新語が有名だ。

 

よし、これなら上手くいきそうだ。

では改めて、先ほど例にあげた業界用語と今話題の新語をアレンジしてみよう。

 

まずは一般人という意味の “ パンピー ” を使ってこんな言葉はどうだろう。一般人のコミュニティやその文化などを表す『パンピー界隈』。

 

うむ、これは使い易い。

次にこれはどうだろうか、仕事や予定で0時を過ぎる案件に見舞われている意味として『てっぺん案件』。

まずまずだ。

 

最後にこれはどうだ?

『ケツカッチン世代』

………なんだそれ。

 

兎にも角にも。

例えチョベリバな話題でも、ダサいと思っていた死語でさえも、発想の転換によって最新のブームとなる日が来るかもしれない。

 

大丈夫。

冷ややかな目を向けられるのは今だけである。あなたも是非、古の死語を使ってみてはいかがだろう。そして流行らせて頂きたい。

ここから死語をリバイバルヒットさせて、ブイブイ言わせてやろうじゃありませんか。あの頃のように。

 

 

 

 

【プロフィール】
看護師 るぅ
現役看護師でありながら、YouTube等で歌手や絵師、ラジオパーソナリティとして活動するマルチクリエイター。
主な作品
(Apple Music等各種音楽サブスクリプション配信曲)
『 ひとりの夜勤、怖い夜』
『 月の雫』(宮尾益実、武田元気) など
「 若輩者のケツカッチン世代です。どうぞ宜しくお願いいたします。」
X(旧Twitter):るぅ
YouTube :看護師るぅの歌
看護師るぅのメンタルヘルスカフェ

 

•1 『死語・廃語研究の意義と方法―流通面を焦点とした流行語研究への試論』―大 谷 鉄 平
•2 『流行語・新語の変遷における原因とその問題点: 反証可能な流行語研究に向けて』―吉田 江依子
•3 『新語はこうして作られる』―窪園晴夫 (2002)(岩波書店)

 

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