こんにちは、ブクログ通信です。
夏です!とんでもない猛暑が続く中、みなさんはどうお過ごしですか。エアコンの効いた図書館で、じっくり読書もいいかもしれません。
ところで!夏といえば、「読書感想文」。
数年前のネットアンケート「嫌いだった夏休み宿題ランキング」で堂々一位に輝いてしまうほど悪名をとどろかす「読書感想文」ですが、確かにSNSでも夏になると話題になるのがその苦労話です。みなさんも苦しみ悶えた経験もあるのではないでしょうか?
今回ブクログ通信で「『夏の読書感想文』の書き方」を企画するにあたって、部内でヒアリングしました。すると!意外なことにブクログスタッフ2名とも「嫌いというほどではない」と回答しました。しかもそれぞれ「どちらかというと得意でした」と!
世で最も忌み嫌われる夏の苦行「読書感想文」が得意というのも珍しい!もしかしたら2人の経験は読書感想文で悩んでいる多くのみなさんに活かせるかもしれません。そこで!今回「夏の読書感想文が嫌いではなかったスタッフ」2名と編集長Mがたどり着いた「ブクログ流!読書感想文書き方の思い出とコツ」を紹介いたします!
今回小学校高学年から中学生くらいを対象としましたので、親御さんのお役にたてれば幸いです。あくまでご参考までに。
もしかするとブクログでレビューを書くときにも役にたつかも?
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「本選び」からが勝負!
スタッフA:読書感想文といえば、まず本を選ぶことがとても大事ですよ。
スタッフB:絶対に適当にエイヤ!で選んではいけないですよね。
―課題図書ってどれも似たり寄ったりではないんですかね。
A:本を選ぶことは慎重にしましたね。
―気軽じゃダメなんですか。
B:「選ぶことから読書感想文」です。
―その言い回しすごいね。
その1:選ぶことから読書感想文
A:なぜその本を選んだのか?読書感想文のとっかかりとしてとても役に立ちます。
―なるほど。
A:そうですね。その際に、「その本を選んだ理由」を一言で明確にしておく。私の経験上、感想文のテーマが浮かびやすくなるはずです。たとえば、
- 表紙の女の子がとても可愛かった。
- タイトルが「?」なのでその理由を知りたかった。
- ページ数が少なそうで楽だと思った。
こんな理由でも構いません!
―そんなレベルでもいいんですか。
A:前提知識が少ない方が書きやすいかもしれません。
―なるほど。
まず何も考えず読む
B:読書感想文の一番の敵はなんだと思いますか?
―いやーわからないなあ。
B:「読みたくない」というあなたの心ですね。
―君はいつもこんな口のきき方していたっけ?
A:でも読まないと何もはじまらないんですよね。
―そらそうだろうけれども。
その2:読まないと何もはじまらない
―こう書くと「なに当たり前のこと言っているんだ?」って気持ちになりますね。
B:読む前に感想文のことを考えるなんて、生まれる前に遺書のことを考えるみたいなものですよ。
―うまいこと言ってやろうと思ってない?
A:読む前に「感想文をどう書こうか」なんて思い煩うとろくなことないので、まずフラットな気持ちで読んでみることですね
―承知しました。
A:読書感想文のことを考えながら本を読むって世界一つまらない読書ですよね。
―名言が飛び出した!
読み終わったら感想一文
―では読んだ後はどうすれば?「読み終わった!」って市民プールに駆けこんで綺麗さっぱり忘れるわけにはいきませんよね。
A:私は「一文感想」を書いていったん寝かしました。
B:大事ですね。
―感想は一文でいいんですか?
A:一文でもいいです。とにかく読んだ直後の感想です。
B:早いにこしたことはないですよね。正直な感想ですから。
A:文ですから「私は、〇〇が/を、△△と思った/感じた/考えた」になると思います。
その3:まずは一文で感想を書く
―なるほど。少し読書感想文のコツっぽくなってきた。
B:その一文が読書感想文の「DNA」みたいなものですね。
―やっぱりうまいこと言ってやろうと思ってない?
「選んだ理由」を振り返ろう
A:さっきの「選んだ理由」の一文を振り返るといいですね。その「読書後の一文感想」との差に書くヒントが必ず埋まっています。
―そういうもんですか。
- きっと〇〇な話だろうと思って選んだ。→ 直後の感想はその事前の直感と別になりませんでしたか?
―なるほど。
A:それが「なぜ?」だったかを探り入れてきます。たとえばこんな感じです。
- 私はカバーの女の子が可愛いと思って読んでみた。読み終わると悲しくて泣いていた。なぜなら、可愛いと思った女の子は実はとても悲惨な人生を送っていたから。
- 私は薄いと思って読み始めた本だった。読み終わると悲しくて泣いていた。なぜなら、その薄さの中に短くも充実した人生が描かれていたから。
- 私はタイトルの意味が分からなかった。読み終わると悲しくて泣いていた。なぜなら、タイトルの悲しい意味がようやくわかったから。
―ははーん。わかってきたぞ。
A:感想文は「使用前」と「使用後」を明確にして、その理由を探っていくとスムースに感想文のアイデアが先へすすむと思いますよ。
その4:「選んだ理由」と「一文感想」を比較
B:「〇〇ダイエットをしてこんなに痩せた!」の鉄則です。
―その例えはなんか違うような気がするけど!
A:読書感想文とはいうなれば「その本を読んで起こった自分の変化をコンパクトにまとめて書くもの」と考えたらいいかなと思います。本を読んだことで得た自分の変化に耳を澄ますとスルスルと「思い」が出てくるのでは。
―Aさんは国語・現代文の成績ハンパなくよさそうですね。
読んだ本を一文でまとめる
A:「自分の変化」を描く場合、そもそも何でもって、変化したかを伝えないといけません。たとえば、「激辛すぎて泣いた」のであれば、「激辛すぎで泣いた」の前に「カレー」を食べた事実があって、その「カレー」は「どんなカレー」であったのか?の説明を端折ってしまうと、相手に伝わりません。
―なるほど。
B:「甘口とメニューに書いてあったカレーを食べて激辛すぎて泣いた」であれば、その不運への共感を生みますよね。
―確かに伝わるが、それインド旅行中?
A:本のあらすじをコンパクトに一文でまとめることですね。そのためにもう一回読むといいかと思います。最初の感想と答え合わせになります。
―ああそこで最初の感想を変えてもいいわけだ。
A:それも感想のヒントに繋がるはずです。選んだ時はこう思った。最初に読んだらこうなった。でも2回目読んだらこうなったって。
―なるほど。
A:あと作品のあらすじを一文でまとめると、だいたいの形は「〇〇が△△から※※になる話」となるはずです。実はフィクション・ノンフィクション問わずのほとんどの型がこうなると思いますよ。
―そういうもんですか。
B:「浦島太郎は、助けた亀に連れられて、龍宮城へ行って、なんやかんやで玉手箱を持って帰った話」ですね。
―なんか身も蓋もなく略された。
その5:その本を一文でまとめる
A:一文の略し方も意識してほしいですね。読んだ人のこの本に対する評価が現れているはずです。
―Bが浦島太郎を見くびっていることもなんかわかりました。
心に残った箇所を探る
A:あと、本の中には読んだ人の中で心に残った文章やシーンが必ずあるはずです。それを一つだけ書きだすといいですね。ここは心を鬼にして一カ所だけです。
―一カ所だけってなかなかきつそうですね。
A:だから選りすぐって選りすぐって選んでください。書きだしたら心に残った理由を書いてください。それも一言で構いません。
―さらにハードルが高くなりましたね。
A:他を選ばなかった理由を書いてみるといいかもしれません。クライマックスの〇〇も心に残ったが、どうしてこちらにしたかというと、って。
―なるほど。
その6:その本の選りすぐりの一カ所を抜き出し、心に残った理由を書く
B:「乙姫は『決して蓋を開けてはいけません』と玉手箱を渡した」が印象に残りました。
―や?その理由は?
B:乙姫は「本当の気持ち」を明かしたんですよ。「決して蓋を開けてはならない」お土産を渡すことがもうあからさまに不自然じゃないですか。これは竜宮城と地上との時差を戻すため重要な装置なわけじゃないですか。地上に戻って箱を開けてしまえば太郎は日常に復帰できるんです。でも乙姫は「決して蓋を開けてはならない」と禁止した。これは「開けないまま、その姿でもう一度竜宮城に戻って、私と添い遂げて」というメッセージに違いないんですよ。ここは乙姫は竜宮城のルールを破ったんです。海よりも深い「愛」ですよ。開けてしまうんだから、本当にバカ野郎な太郎です。
―ものすごい早口で、浦島太郎にそこまで熱入れて深読みできてしまう君に、ストレートに驚いた。
その一言を自分と関係づけましょう
A:あと〇〇と選んだ理由をもう少し自分も含めて俯瞰的に見てみると必ず選んだ側の心にも理由があるだろうと思います。
―どういうことだろう?
A:心・感情・興味を動かされたからその箇所を選んだんですよね。その心・感情・興味は読者のものですから、動いた理由が本だけでなく、読者の方にもあるはずじゃないですか。
―そういうもんでしょうか。
A:その箇所の心に残った理由からもう一段深い理由になると思います。
その7:さらに心に残った「自分の理由」を探る
B:…そうか…。そうだったのか…。
―Bは何かに気づいたようです。
最後の「決意」で〆
―まとめると、こうなりますか。確かにこれだけで何か感想文一個書けそうですね。
- 選んだ理由を明確にする
- その選んだ本をとにかく読んでみる
- 読んだ後に最短で感想を一文で書く
- 読んだ後の感想と選んだ理由の比較してみる
- この本を一文で紹介する
- この本の中の印象に残った部分を一カ所だけ取り出し、その理由を洗い出す
- そこが印象に残ってしまった自分側の理由も洗い出す
A:そうですね。さらに最後の〆で貴方がこの本を読んで何をしたいかを端的に一文で決意表明するのもよいですよね。
―どういうふうに?
A:たとえばこの本で祖母を思い出したとか。そういう場合は、祖母に手紙を書いてみようと思う。ですとか、たとえば、約束を破ったことがある、という場合は、約束するときは必ず守れる約束にしようと思う、ですとか。
その8:貴方がこの本を読んで何をしたいか決意表明をする
A:最後に決意表明をするとグッと締りますね。
B:よしッ
―Bは何を決意したんですかね。
みなさんの読書感想文の思い出と書き方のコツを募集します!
いかがでしたでしょうか?今回は小学校高学年くらいで課題に挙げられる本の読書感想文で考えてみました。
- 選んだ理由を明確にする
- その選んだ本をとにかく読んでみる
- 読んだ後に最短で感想を一文で書く
- 読んだ後の感想と選んだ理由の比較してみる
- この本を一文で紹介する
- この本の中の印象に残った部分を一カ所だけ取り出し、その理由を洗い出す
- そこが印象に残ってしまった自分側の理由も洗い出す
- この本を読んだ結果、何をしたいかを決意表明する
今回は、ブクログ編集部で書き方の一つのアイデアとして提案させていただきました。こちら読書感想文という宿題で悩む子を持つ親御さんがお役にたてられるのであれば幸いです。
ここでみなさんから「この本で読書感想文を書きました!」を募集いたします!
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あなたもきっと悩んだに違いない、読書感想文の思い出や、その他、書き方のヒントなどもありましたらぜひ!
投稿の締め切りは、2018年8月31日(金)終日です!
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ふるってのご応募お待ちしております。