内容紹介
★人事担当者の悩みを解決します。★優秀な人材が集まる経営指南書
「学生に人気のコンサルであっても、大手企業であっても、せっかく獲得した人材が数年で辞めてしまう」――。優秀な人材ほどこうした傾向があると言われています。
従来の発想のままいくら引き留めようとしてもうまくはいかないものです。あまり極端な方法をとると、辞めずにコツコツ働く社員をないがしろにすることにもなりかねません。いま、多くの企業の人事担当者は、こうした問題に頭を抱えています。
優秀な人はなぜ辞めるのか、辞めてどこに向かうのか――筆者は本書で3点指摘しています。彼・彼女らは、①自律的なキャリア選択を望み、②評価や処遇の公平感・納得感を求め、③自分が「成長する機会」を欲っしています。これら3点のどれか一つでも欠けていると、業種や企業規模にかかわらず辞めてしまうというのです。
見方を変えれば、本書で指摘する3つの点を整えれば優秀な人材を獲得できるのです。業種や企業規模を問わず、どの企業にも採用チャンスがあります。現在は、「優秀な人は辞めていくが、採用するチャンスもある」、つまり、“人材循環時代”なのです。
こうした時代をうまく乗り切るにはどうすればいいのか、本書が提示します。まず理解しないといけないことは、人事部門だけで解決できない問題だということです。優秀層の人材は循環する(=入れ替わる)ので、それを前提にした組織の在り方も同時に考えないといけません。
本書は「人材マネジメント」と「組織運営」の両面で、課題解決の方向性を示します。
人材マネジメントでは、優秀な人材が求める3点について、それらを具体的に人事諸制度に落とし込む方法を詳しく解説します。
組織運営では、「極めて優秀な人材」「比較的優秀な人材」「標準的な人材」に分けて考え、納得感のある施策を提案しています。
人事担当者はもちろんのこと、組織運営にかかわるビジネスパーソンには欠かせない1冊です。
<目次>
はじめに
第1章人材問題の正体と解決の道筋
1-1企業経営における人材問題の位置付けとこれまでの取り組み
1-2人材問題の正体
1-3人材問題の解決への道筋
第2章人材市場を正しく理解する
2-1マクロ分析~総量・流動性・充足度~
2-2トレンド分析~転職者のマインドと規模・業界による差異~
2-3人材問題の解決の糸口~「人材循環時代」~
第3章「人材循環時代」の人材マネジメント
3-1優秀な人材が求める3つのこと
3-2キーワード1「自律的なキャリア形成」
3-3キーワード2「評価や処遇の納得感」
3-4キーワード3「成長機会の存在」
3-5経営戦略レイヤーのキーワード「会社の将来性」
第4章人事制度の考え方
4-1「人事制度改定」という作業の性質
4-2人事制度改定を進める上で押さえるべき5つのポイント
4-3人事制度改定の考え方
4-4人事制度改定を進める上での留意点
第5章「人材循環時代」の人事制度の形
5-1人材マネジメントの3つのキーワードと人事制度の関係性
5-2雇用区分体系:キャリアパスや働き方は「自分で選ぶ」時代
5-3等級体系:早期抜擢が可能な仕組み
5-4評価体系:行動の分解と能力等級要件の具体化
5-5報酬体系:下方硬直性からの脱却
5-6極めて優秀な人材などのための「別枠」の処遇
第6章「人材循環時代」の組織マネジメント
6-1組織マネジメントはメンバーシップ型を否定することから始まる
6-2「標準的な60%」の人で及第点を取れる仕組みを目指す
6-3「標準的な60%」を底上げする
第7章今後の「人事部門」の在り方
7-1人材問題は経営マターになっている
7-2「人事業務部門」から「人事戦略部門」へ
7-3「組織変革の主導者」としての人事部門の心構え
第8章日本における人材マネジメントの将来像
8-1「日本型人材マネジメントシステム」とは何か
8-2「日本型人材マネジメント」は限界を迎えているのか
8-3人材マネジメントで必要となるチューニング
おわりに