内容紹介
2024年6月、トヨタ自動車の法規認証試験を巡る不正が明らかになりました。「レクサス」ブランドが世界で最高レベルの評価を受けるなど、これまでに築き上げた「品質のトヨタ」の不正行為は社会全体に大きな衝撃を与え、品質不正問題の根深さを示しました。どうすれば不正を防ぎ、品質コンプライアンスを強化できるのでしょうか――。品質保証部門の独立性を担保する、人事ローテーション制度を導入するなど、様々な解決策が指摘されていますが、言うは易し行うは難し。実際に品質コンプライアンスに取り組んでいる人は限界を感じているといいます。なぜなら、経営陣を動かすことや職場の風土を変えることがとても難しいからです。
この壁を突破するには、問題の本質を体系的に説明すること、同じ問題意識が他社にもあるという事実を示すことが重要で、本書がその一助となります。品質コンプライアンスの担当者向けに講演や研修を多数実施する著者が、製造や検査などの現場や経営・マネジメント層から直接打ち明けられた質問や意見に対し、体系的に整理しながら答えていきます。このQ&Aは、経営陣を突き動かし現場風土を変える強い力を身につけるのに役立ちます。
<目次>
はじめに
第0部 トヨタの認証不正
第1部 品質コンプライアンスの基礎
第1章 品質不正に陥る原因
第2章 品質コンプライアンスの取り組み方
第3章 品質コンプライアンスとタテ社会
第2部 全社的な課題解決
第4章 人事ローテーションの活性化
第5章 内部通報制度の生かし方
第6章 パワハラ撲滅へ
第7章 職場マネジメントの課題解決
第3部 部門別の課題解決
第8章 開発・製造部門の課題解決
第9章 品質保証・検査部門の課題解決
第10章 経営の課題解決
第11章 子会社の品質コンプライアンス
第12章 監査役監査・内部監査について
第13章 調査報告書を再発防止に生かすために
おわりに