産業ガス大手のエア・ウォーターはグループ計37社で不適切会計が発覚した。調査の途中だった2025年12月に豊田喜久夫前会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任し、松林良祐社長がCEOを兼務することになった。松林社長は日経ビジネスの単独取材に応じ、不適切会計の背景や今後の方針について語った。
(前回記事は「エア・ウォーター不正会計『ニデックと極めて類似』 ワンマン経営者の弊害」)
不適切会計は25年7月、エア・ウォーター社内の自主点検で発覚しました。どのような経緯だったのでしょうか。
エア・ウォーターの松林良祐社長(以下、松林氏):中期経営計画で掲げる資本効率の改善を進めるため、急に在庫が増えたグループ会社をピックアップし、事業部門が調査に入った。(最初に不適切会計が見つかった)日本ヘリウムは市況が悪化したこともあり、急に在庫量が増えたことが見て取れた。
日本ヘリウムの事案は自主点検で見つかったが、実際にはその前に事業会社側から在庫の不一致について本社へ報告が上がっていた。内部統制が機能しておらず対処が遅れた。
その後、自主点検チームと特別調査委員会の両方が不適切会計の調査を進めました。
松林氏:2つの調査が別々に走っていたわけではない。当初は自主点検により不適切会計が見つかったが、我々自身で調査するよりも第三者にしっかり調査してもらうことにした。ただし、特別調査委員会の弁護士や会計士は人数が限られており、全てをやってもらえるわけではない。当社も調査したり特別調査委員会に資料を提出したりする必要がある。自主点検チームがその役割を担った。

不適切会計の要因は。
松林氏:不適切会計が可能な業務プロセスになっていて、それを防ぐ内部統制の仕組みができあがっていなかった。エア・ウォーターは経営陣が(管理部門など)ディフェンス面にリソースを投入してこなかった。根本の原因はそこにある。売上高1兆円を目指す「1兆円企業ビジョン」が目的化してしまい、管理面の強化がおろそかになっていた。
トップダウン、業容拡大とミスマッチ
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