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2021.08.25
君は何個知ってる? Substack、SHEIN、IRL...海外のtoCサービス最新事情

君は何個知ってる? Substack、SHEIN、IRL...海外のtoCサービス最新事情

テック業界で今や知らない人はいない『Off Topic』。ポッドキャストをメインにテックトレンドを深堀りして届けている。そんな『Off Topic』が注目する海外のtoCサービスとは? 「ソーシャル×◯◯編」をお届けします!

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※2021年7月に行われた、シードラウンド特化のVC『THE SEED』と『Off Topic』のコラボオンラインイベント(モデレーションはTHE SEEDの廣澤太紀さんが担当)より一部抜粋・編集したレポート記事としてをお届けします。

+++アメリカを中心とするテックニュースやトレンド、スタートアップ、ビジネス情報、カルチャーを深堀りしながら解説している「Off Topic」。毎週木曜日にPodcastを配信。AppleとSpotify Podcastのテクノロジー部門別ランキング1位獲得。今年話題になったサービス「Dispo」創業者に日本で初めて独占インタビュー。希少性・独自性が高い情報を発信している。Hosted by 草野美木(@mikikusano)and 宮武徹郎(@tmiyatake1

いま知っておきたい「ソーシャル × ◯◯」サービス

海外のtoCサービスの流れとして「ソーシャル × ◯◯」、いわゆる民主化の流れが少しずつ来ている、と解説してくれた『Off Topic』のお二人。とくに注目しているサービスについて、まとめ形式でお届けします!

Substack(サブスタック)|ソーシャル × メディア

私が注目しているのは「Substack」です。いわゆるニュースレターサービスですが、読者と直接つながれて、いわば独自のコミュニティを作ることができます。ライター・記者・ジャーナリストの民主化を後押しする、そんなサービスと言えるかと思います。

人気のニュースレターは、海外情勢、気候変動問題、政治、スポーツ、音楽など、ニッチだけど、奥が深いジャンル。UIがすごくシンプルで使いやすい。報酬にしても、有料ニュースレターの10%の手数料とわかりやすいもの。人気のニュースレター「The Dispatch」は約6億円の資金調達をし、会社として立ち上げているケースもあります。

▼詳細はこちら
Substackとパーソナルメディア帝国(note)
https://note.com/offtopic/n/nb9ede103b456


Snackpass(スナックパス)|ソーシャル × テイクアウト

ソーシャル × テイクアウトのアプリ。テイクアウトをデジタル化し、そこにソーシャルな要素を入れてるアプリになります。TechCrunchの記事だとユーザー数が50万人と書かれていて、すごい勢いで拡大しています。注文も、ピックアップも、スマホでできるのですが、そこで過去の購入履歴をフィードとして残るのが特徴です。友だちのフィードも全部見れて、とくに大学生がすごく使っているサービスです。「あの子に奢った」みたいな情報もわかります。こういった誰かに何かを贈る「ギフト」のアクションはかなり流行っている気がします。

▼詳しくはこちら
ソーシャルテイクアウトアプリ「Snackpass」が$70M調達 ※3つ目のTopicに収録
https://open.spotify.com/episode/1OW4ommUqIwS3psCBCDybs


IRL|ソーシャル × カレンダー

いわゆる「ソーシャルカレンダー」と呼ばれているもの。もともとはカレンダーアプリとしてスタートして、そこから若者向けにソーシャルな要素が加わったもの。Forbesの記事によれば月間200万人のアクティブユーザーがおり、多くのユーザーが18歳以下だと聞いています。また、アメリカのなかでも東海岸でも、西海岸でもなく、その間の中央部で人気になってるそうです。今後、メッセージ機能を充実させていくようで 、スナチャ、SMSとどう対抗していくのが注目だと思います。

▼詳しくはこちら
#2 ソーシャルカレンダーアプリIRLがソフトバンクをリードに$170M調達
https://open.spotify.com/episode/6eOH8FlbytGJGZcBPDN6JD#_=_


SHEIN(シーイン)|ソーシャル × コマース

「EC業界のTikTok」と言われているのが、中国ECの『SHEIN』です。じつは中国では展開しておらず、アメリカの女子高生、女子大生たちにすごく使われています。2021年上半期で160%と成長し、聞くところによると、アメリカのファストファッション市場の28%を占めたといいます。

AIをベースとしたアルゴリズムをもとに、いま最も流行っているファッションアイテムをすぐデザインして、すぐに作り、すぐにアプリでテストする、という循環がものすごく速い。なので、「ファストファッション2.0」と言われている会社ですね。有名なセレブやアーティストとコラボし、アプリ内でコンサートを視聴できるなどのコンテンツもやっており、すごくエンタメ感を出してきています。

じつは中国と比べ、コマースはアメリカのほうが遅れをとっている分野。スマホベースではなく、まだ検索ベースがメイン。フィードになっていない、レコメンデーションになっていないものがほとんどです。ここで完全にアメリカでは勝ってるプレーヤーがいない。だからこそ、今アメリカで「ソーシャルコマース」が流行っているのかなと思っています。

▼詳しくはこちら
#7 EC業界のTikTok「SHEIN」の勢いが止まらない!上半期で160%成長
https://open.spotify.com/episode/50crpz4aRT9oZFjZVZxHs6

#69 Amazonを超えた中国EC「SHEIN」
https://open.spotify.com/episode/1Uk2GvDwBX6QVQc4EqmL4s


その他、投資・トレーディングの「民主化」

Robinhood(ロビンフッド)、Public.comなど、上場企業への投資がしやすくなったサービスはあるんですけども、スタートアップ投資の一般化なども出てきています。それ以外にも、日本にもStockXが入ってきたり、いわゆる「コレクタブル」、ポケモンカード、おもちゃ、スニーカーなどいわゆる「文化」のトレーディングもトレンドとして来ていると思います。

#55 カルチャー投資、コレクタブル市場とNFTによるデジタル化
https://open.spotify.com/episode/0HDheczI0ZhQ2Z75mKKRVe

#64 資金調達の進化
https://open.spotify.com/episode/1bAiSYJQr1UxwDHQu4hjqO

まとめ|キーワードは「民主化」

海外のtoCサービスを見ていくと、大きな流れとして、それまでユーティリティ化(生活必需化)していたものに、ソーシャル要素を加えたものが来ていると感じます。

サービスにソーシャル要素が積極的に入る背景には、競合が増えるなか、勝つための良い体験の追求が欠かせないからだと思います。また、作り手の世代も関係しているのかもしれません。たとえば、創業当時からFacebookにいた人たちが退職して、連続的に起業をしていたりもします。中国でも、最近立ち上がったD2C企業の創業者を見てみると、元ゲーム会社の人がいたりして。

もっと言うと、今のZ世代は、YouTube、Discord、Fortniteで育ってるわけですよね。ゲーミフィケーションされた世界のなかで育っている。彼らが作るアプリは、B向けでも、C向けでも、自ずとその世界観に寄せたものになっていく気がします。


取材 / 文 = 白石勝也


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