映画「メッセージ」を鑑賞しました。
最初はこの映画のポスター見て、どう見ても柿ピーにしか見えないこの謎のフォルムに抵抗を感じてましたが、
観終わった瞬間気持ちが変わりました。
なにこれ・・。めちゃくちゃ泣けるし全然SFでもない。
哲学的だし、そして同時にスピリチュアルな内容でもあります。
映像化にするのは不可能、とまで言われたこの作品。よくぞ映像してくれた。
って言っても、私もまだ理解し切れていないのだけど、だけど考察しちゃいたいと思います!!
悲しすぎる、でも、とても面白かった。私は大好きな映画です。
映画「メッセージ」の概要・あらすじ
映画メッセージの概要
監督 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2016年 |
原題 | Arrival |
上映時間 | 116分 |
ジャンル | SF |
キャスト | エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー ほか |
映画メッセージの簡単なあらすじ
【どんな話?】
ある日突然、地球上に黒くて巨大な謎の物体が上陸。物体内に行くと、そこには地球外生命体らしき存在がいた。言語学者のルイーズは彼らの目的を探るため、意思疎通をはかる。やがて、彼らのメッセージ、そしてルイーズのある能力が目覚めていき・・・・。
世界数カ国で突如、謎の大きな黒い物体が出現。この物体の中には謎の宇宙人が存在していた。
(木みたいな形していて、会話するときタコのスミみたいなものを出してきます)
私たち人間と “違う次元” から来たに違いない彼らは、ルイーズ(この映画の主人公)に何かを伝えようとする。
ですが、人間は彼らの言語?がまるでわからない?だが、ひっきりなしに何かを伝えようとしてくる。
ルイーズは仲間とともに分析を重ね、やっと解読することができた・・・・・のですが、実はその解読がきっかけでルイーズに秘められたある能力が発覚。
ここから物語はさらに面白くなっていくんです。
この作品はチャンテッド原作のあなたの人生の物語を映画化したものです。(私は読まずに映画を観ました)
邦題のメッセージって、原題のArrival と違ったタイトルですが、映画を観て思うのは、これは本のタイトルが一番しっくりくるってこと。
Arrivalは到着って意味で、これもこれで理解できる内容ですが、この映画は主人公ルイーズの物語であり、ひいては私たちの人生についてのメッセージとも私は感じたからです。(あ、そう考えると邦題もしっくりきますね・・)
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。
映画ブレードランナーの続編のブレードランナー2049の監督としても知られています。(重々しい空気感や暗い感じなどは若干、ブレードランナーと似ています。)
映像化は難しいと言われた小説を見事に映画にしてくれました。
見事〜とか言っちゃってますが私は原作未読なんですけども!笑
私はもうすっかりこの映画の大ファンで、感謝の気持ちが止まらない。謎に。
映画「メッセージ」のネタバレ考察!考察しちゃいますよ!!
宇宙人の目的とは
この映画と重要な存在、あの物体内にいる未知の生命体。宇宙人と言った方がしっくりくる。
宇宙人(人・・とも違う気がするけど)であるのは間違い無いですがおそらく次元も違う。
私たちのような音の言葉で意思疎通しない次元にいる存在。
そう、この映画は多次元世界を表現してるとも言えますよね。だって次元が違うとこからの存在がやってきたのだから。
彼らが何者なのかは不明。宇宙人だと思うけど。
そして彼ら宇宙人の目的、何を伝えようとしているのか、について考察しますとね。(人によって解釈が異なる領域でもあります)。
彼らは言語学者であるルイーズに対して彼女が未来を見ることができ、世界を変えられる、そして未来を変えられる武器となるのが言語というメッセージを伝えにきた。
世界はこの先、大きな災難に見舞われる。それを食い止めることが(抵抗できる武器)が言語なのだと。
そしてそれができるのがルイーズだと。
それを伝えにきた!
柿ピー!!
ルイーズが宇宙人とやりとりを交わしていく中で、たびたび脳裏に娘との映像が映しだされたことから、やはり彼らがルイーズに伝えたい意思があったのは明らか。
で、言語が武器なのに、なぜルイーズに未来を見せた?って話なんですが、(厳密には宇宙人が見せた、というより、ルイーズが宇宙人に刺激されて?本来の能力を思い出したって感じかもですが)それはルイーズが未来を見れて、言語で大惨事を食い止められる、と宇宙人はわかっていたから。
私は理解が乏しくてですね、最初この”ルイーズの脳内の映像”が過去のものと思っていたんですよ。
宇宙人とやりとりしているとき、ルイーズには子供はいない感じだし、でも脳裏に浮かぶ子供との映像にルイーズは驚きの表情を見せていることから、過去を悲しんでいるのではない。
もしかしてパラレルワールドを見ているのでは?願望の線もあるのでは?とも一瞬思いましたが、彼らが”時間”を伝えてきていると研究で分かっていたので、そうなると未来の映像ってことになるのが自然かなと。
現在でも過去でもないとすれば、残るは未来なので。
もともと言語学者である彼女に与えられた “未来を見る能力”と”言語”。それが宇宙人によって開花され、結果的にルイーズは未来を一コマを思い出し、そしてあの中国人の男性に電話をし、大惨事を食い止めた。
こんな感じに未来を変えることに成功ハッピー!と世界的には安泰したわけですが、ルイーズ自身には残酷な未来が残されてしまった。
未来が見れる能力が眠ったままだったらよかったのに・・と思わずにはいられない未来、ですよね。
イアンと結婚して子供を産むのに、その子はやがて死んでしまうという未来。それを思い出してしまったルイーズ。
そんなの・・・耐えられないですよね。
でも結局ルイーズは現在の自分の気持ちを選ぶんですよ・・もうね・・・多くの人が「もし自分だったら・・」と想像するシチュエーションなんじゃなかろうか。
今は幸せでも、この幸せの道を選んだ先には耐えられない絶望が待っているんですよ?
でもさ、普通そう思ったらさ疑問が芽生えるわけ。
時間軸は後ろから前に一方通行に進んでいると思うじゃないですか。
だから、バタフライエフェクト、じゃないけど今この瞬間を変えればいくらでもパラレルワールドは生まれて残酷な未来を回避できそうなきがするけど、そういう仕組みじゃないんですよね。
なぜなら過去・現在・未来は同時に存在してるから。少なくともこの映画の中では。
もうね、これが理解しにくい。
だってそれって、なんか運命みたく思えちゃうし、そう仮定すると今を変えれば未来が変わるって概念が崩壊する。この価値観が崩壊するからその先へ進められない。
私はですよ、今を変えれば未来も変えられると思って生きているんです。
だからルイーズがイアンと結婚しても、未来はどうなるかわからない・・ってことじゃなく、確実に最悪な未来が来ると決定している。
過去現在未来が同時に存在しているってことが理解できないと、このルイーズの行動も感情も理解できないし、私もこの部分では理解できていない。
だって未来は決まっているだなんて、思いたくないもの!
そして私はこんなことも思いました。
「今この瞬間を、生きろ」「この一瞬、一瞬を大切に生きろ」
未来はこの先に待っているものではなく、現在と共に存在しているもの。未来を不安に抱いたり、過去に囚われたりせず、今この瞬間を味わい、生きる。それこそが私たちにとって重要なのでは、と。
より良い未来のために、行動するんじゃない、今を生きろと。
私はスピリチュアルだったり宇宙的な内容をかじっていた時があったのでたまにふと思うんですよね。
はたして私たちの時間の概念って正しいのだろうか?はたして本当に過去から未来に進んでいるのか?
いや〜でもせつねぇ。
この解説に関しては1度この映画を観ただけじゃ分からず、てか全然理解できてない部分あると思う。最初は意味不明に感じてましたし。だからなんかもうDVD買っちゃおうかなって境地にも達しています・・笑
異次元の生命体への攻撃性
あ、この映画観てもう1つ思ったのが、未知なる存在への攻撃性。
地球上に突如巨大な物体が上陸、そしてその中には謎の生命体。
ルイーズが解読した「武器」というメッセージから彼らが敵と判断してしまい事態は急変し、そして攻撃する?案が出てたじゃないですか。
そりゃね、いまだかつて見たことがない謎の生物がきた=支配するのでは?人にとって驚異な存在では?と不安になるのもわかるけど、いきなり攻撃はいかん。
なんせ、翻訳した武器ってこと場も、もしかしたら違う意味合いって可能性もある、そんな段階でしたから。
不安のあまり、すぐに敵味方と白黒つけたがるのはどうかと思うし、地球では人間が一番上、そして人間が認めないものは排除したいという考えがちらついていて、観てて辛い気分になりました。
防衛という観念から「敵の可能性がある」と考えるのは大切ですけど。
もっともっと相手を尊重して対話の時間を設けてもいいですよね・・と。話し合いの概念って大切と思ったです。
てか私たち人間って “自分が理解できないから” って理由で相手を排除したり変人にしてレッテルはることってあるのかもしれませんね。
(壁に吸盤のように吸い付いたり、壁をトントン叩いてる映像がは可愛かった)
宇宙人のCGが綺麗で映画の世界に入り込みやすい
個人的にこういうUFOとか宇宙人?系って、CGの綺麗さってすごく重要だと思うんですよね。いかにリアルに近い映像かって。
作り物感があるとそれだけで覚めてしまうので物語が頭に入ってこない。
謎の生命体が入っている巨大な物体は、一見煎餅に見える・・ちゃ見えるのですが、映画が始まるとそれが違和感なく感じられるからびっくり。
それは多分映像の暗さと不気味な音楽、演技の雰囲気がとてもシリアスな感じだからだと思います。俳優陣の演技もすごいですしね。
そして終始、重々しい。
不気味さが(と言ってもエイリアンのような不気味さがではない)漂う映像がひたすら流れ、少し緊迫感も感じます。
音楽の素晴らしさに息を飲む。映画に合いすぎ
これは個人の趣味によりますが、私は音楽もとても素晴らしいと思いました。
不気味なシーンはものすごく重く低い不気味な音楽流れるし、ルイーズの秘められた能力がわかってからのシーンは感情を刺激されるような音楽が流れる。
マックス・リヒターのこのOn the Nature of Daylife はとても印象的。
エモすぎる。
雰囲気として映画「インターステラー」の音楽を思い出しましたね。クラシック音楽のような壮大感がある音楽なんです。
映画の世界において音楽ってかなり重要な要素だと私は思うのでそういった意味でもこの作品にのめり込んでしまいましたね。
メッセージは気まずいシーンある?
私の感覚ですが、濃厚なベッドシーンはありませんでした。ほぼほぼ謎の生命体とのコミュニケーションやルイーズの能力についての映像が大半でした。
抱き合うシーンはあります。
感想は以上です!
関連:映画「メッセージ」が好きな人におすすめしたい作品
SFにジャンル分けされている本作ですが、私はこれはSFではなく哲学的な映画と思うんです。
(あるいはスピリチュアル的な映画)と捉えています。
なので、こういう時間軸とか多次元について考えるのがめーっちゃ好きな人に激しくおすすめ。