洋画 Swallow(スワロウ)を鑑賞しました。
異物を飲み込む映画です。
ジャンル的にはスリラー(ホラーという見方も)とありますが全くスリラーの要素は私はないと感じました。
いろんな見方がされている作品で、私はこの女性は幼少期に満たされなかった愛情が違う形となって大人になって現れてしまったのだなぁと感じました。
私が感じたことを、考察と絡めながらお話ししたいと思います。
Swallow(スワロウ)の簡単なあらすじ
Swallow(スワロウ)概要
- 監督:カーロ・ミラベラ=デイビス
- 製作年:2019年
- キャスト:ヘイリー・ベネット、オースティン・ストウェル、エリザベス・マーヴェル、デヴィッド・ラッシュ ほか
Swallow(スワロウ)の簡単なあらすじ
ニューヨーク郊外の邸宅で、誰もがうらやむような暮らしを手に入れたハンター。しかし、まともに話を聞いてくれない夫や、彼女を蔑ろにする義父母の存在など、彼女を取り巻く日常は孤独で息苦しいものだった。そんな中、ハンターの妊娠が発覚し、夫と義父母は待望の第一子に歓喜の声をあげるが、ハンターの孤独はこれまで以上に深くなっていった。ある日、ふとしたことからガラス玉を飲み込みたいという衝動にかられたハンターは、ガラス玉を口に入れて飲み込んでしまう。そこでハンターが痛みとともに感じたのは、得も言われぬ充足感と快楽だった。 https://eiga.com/
Swallow(スワロウ)のネタバレ感想と考察
ハンターの幼少期が原因?
幼少期、満たされなかった愛への欲求が大人になって現れたのだな・・・という感想をまず第一に思いました。
中盤までは金持ち裕福家庭生まれの夫の態度にストレスを感じ、精神的に病んでしまって異物を飲んで憂さ晴らしする女性と思ってたんです。
でも後半に行くにつれ、幼少期に問題があったことが明かされていきました。
何でもかんでも幼少期の問題と決めつけるのはいかがなものですが、それでも幼少期に一定の愛情を与えられなかった子供は、やはり大人になって苦労するのいろんな映画でも描かれていますよね。
監督がどういうメッセージを込めて作ったか定かではありませんが、後半に父親を訪ねたシーンを加えたことから、異物を飲み込んでしまう事と深く関わりがあるように思いました。
全くストーリーは違いますが、近年見た映画の中だとジョーカーという映画に対しても私は同じ思いを抱きましたね。
あれは悪のヒーローを描いた作品ですけど、幼少期があまりにもひどすぎて。
お金持ちの夫、イケメンの夫、そしてよくできた妻
話をスワロウに戻します。
大人になった彼女は、エリートでお金持ちの旦那(しかもそこそこイケメン)をゲットし何不自由ない幸せな家庭を築いたわけだけど、ここでもまた満たされない思いに駆られてしまう。
完璧主義な性格でもあったのか、常に自分の欲求を押さえ込んで、完璧でよくできた主婦になろうとしてた。
めっちゃストレス感じている様子でしたね。
そして異物を飲み込むことで幸せを感じる異食症になってしまった。まさに自傷行為。
飲み込むものが石ころやボタンだけじゃなく、画鋲とかもあるんで観ててこっちがお腹痛くなりそうになるのですよね・・・
ちょっと脱線しますが、実は私の周りにも幼少期、自傷行為している子がいて。今振り返ると、その子の話的に家庭環境にかなり問題があったんですよね(あとから聞いた)。当時私は全く理解していなかったけど。
逃げ場がないし、己を傷つけることで幸せや生きていることを実感するのでしょうか。(これに対しては知識がないのでわかりませんが;)
最後の薬と人生再スタートへ
そしてクライマックスでは家を飛び出し、すべての原因である父親と会う。
彼女なりの解決策の1つになったのでしょうね。ここを映すってことは、やはり幼少期が原因だったのかなって思っちゃう。
最後にお医者さんに薬をもらっていましたよね。中絶薬。
便器が真っ赤になっていたのが衝撃・・。その薬をアップで映すのも印象的でした。
今回は異物ではなく、薬を飲み込んだ。そしてその薬で体の中のものを排出する。今までと真逆な行為。
こうすることで夫との関係も完全に切れ、より新たな人生をスタートできるってことなんかな。
そのあとに流れた音楽もどことなくスッキリしたような、軽快な音楽が流れてフィナーレ。
「私は強くなった」「あなたのもとを去る」「私は変わる」みたいな歌詞が流れていました。
Alana Yorke – Anthem
やっぱり苦しかったんですね。
現在の苦しみ、そして過去から尾を引いている苦しみを絶った。
ここから本当の彼女の人生が始まるかのようなエンディングでした。
そしてこの作品の見どころでもあるのが、映像がすごく綺麗ってこと。
ここにフランスの要素が表れている気がする。(私そんなにフランス映画詳しくないけど)食事や部屋のインテリアの映し方とかちょっとおしゃれなんです。
異物を食すということにちなんで、普通の食事がすっごく不味そうに映っているのも独特。映像のフィルターかな?青系統だったし。
あれは彼女から見たら普通の食事は不味そうに見えるってことを伝えたいのかなぁ。
国によって映像の映し方って変わると思うのですが、ゴリゴリのアメリカ映画っぽいわかりやすい映し方でないのも特徴でしたね。
Swallow(スワロウ)のネタバレ感想・考察は以上となります。
関連:幼少期の体験が尾を引いているな・・と思った作品はこちらも
ストーリーも雰囲気も全く異なりますが、幼少期の体験が大人になっても影響を及ぼしている作品といえば下記の「ジュディ虹の彼方に」かなあと私は思うのです。オズの魔法使いの子役のその後の人生を描いてるんですけど。
ケーキを食べるシーンが結構しんどかったです。
子供だったら当たり前に食べる or 食べたい食事も満足にできなくて、しんどい幼少期だたんだろうなと。食事に限ったことじゃないけど。
関連:ヘイリーベネットがお好きな方は下記作品もおすすめ
ちょっと重い内容ですが、下記のガールオンザトレインにも出演しています。
この映画レベッカファーガソンも出てて金髪なんですよね〜。レベッカファーガソンって茶髪のイメージだったから意外でした。