CoinPostで今最も読まれています

イーロンマスクの「スーパーアプリX」構想 BTCやDOGEの仮想通貨決済の可能性は? 「X」包括的金融サービスへのビジョン

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「x」包括的金融サービスへのビジョン

X(旧Twitter)は今年(2024年)1月8日の自社のブログにて、XプラットフォームにPtoP決済を導入することを発表した。

そして、1月21日にはX支払い機能の専用アカウント(@Xpayments)が作成されたことが確認され、認証された組織であることを示す金色のバッジが付いている。

昨年は、現CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏が、近くビデオ通話や送金機能を搭載する表明をXに投稿していた。

イーロン・マスク氏もX買収前の投稿で、Twitterを「スーパーアプリ(everything App)」にすることを言及。2022年10月にTwitterを44億ドルで買収したが、彼はXと改名したプラットフォームが包括的な金融サービスを提供できると投稿した。

アメリカではすでに昨年4月にeToroと提携し、$Cashtagsを用いて株式、暗号、その他の資産のリアルタイム価格を見ることができ(この機能は日本でも可能)、eToroを通じて投資することも可能になっている。

マスク氏は、X上の決済の機能について、新たなX独自の通貨を発行することについては否定している。

では、この「万能アプリ」Xの決済機能に、BTCやDOGE、または他の暗号資産実装の可能性はあるのか。

Xが12の送金ライセンスを取得

昨年「X」は、米国12州で決済ライセンスを取得している。アリゾナ州、ジョージア州、アイオワ州、カンザス州、メリーランド州、ミシガン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、サウスダコタ州、ワイオミング州である。

このライセンスにより、より広範な決済サービスの提供が可能になり、「X」が実際に計画を進めている可能性があることを示唆した。

マスク氏のビットコイン保有状況と発言

2021年初頭、Tesla社は15億ドルをビットコインに投資し、製品の支払いにもビットコインを受け入れ始めた。 これに続いてSpaceXもビットコインをバランスシートに加えた。

関連:テスラ、仮想通貨ビットコインへの決済対応開始

その後、マスク氏自身がビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ドージコイン(DOGE)所有を表明しており、彼はビットコインのファンで暗号通貨界の味方のように見えた。

しかし2022年、一転してTesla社は保有ビットコインの75%を売却し、製品の支払いにビットコインの使用を停止した。 この決定の背景には、ビットコインネットワークのエネルギー使用に対する懸念があったということだった。

一連のマスク氏の言動は、仮想通貨市場にも大きな影響を及ぼしている。

その後しばらく、マスク氏はビットコインについてあまり語らなかったが、1月11日のキャシー・ウッドが主催したXのスペース「ARK 21Shares Bitcoin ETF (ARKB) Approved | Cathie Wood Discusses」に参加し発言している。

その中でマスク氏は、2022年にテスラ(Tesla)社が抱いていたビットコインネットワークのエネルギー使用に関する懸念も、状況が改善されたことを指摘した。 実際にTesla社は、2023年Q3のバランスシートからも、現在1億8400万ドルのビットコイン保有していることがわかる。

同Xスペースでマスク氏は、万能アプリXの決済インフラで、ビットコインが使われるかどうかキャシー・ウッド氏に尋ねられたところ、「X上でビットコインを使用することにオープンだが、それについてはほとんど考えていない。」と答えている。

そして「私は今でも大量のドージコインを所有しており、SpacaeXは大量のビットコインを所有している。」と明言した。

ドージコインへのコミット

マスク氏は、しばしばX(Twitter)でドージコインについてコメントをしては、物議を醸してきた経緯もある。 買収後に、Twitterのロゴをドージコインのトレードマーク、柴犬の「かぼす」ちゃんのアイコンに変えた時には、Dogeの価値を30%押し上げた。これに伴う集団訴訟は、いまだ係争中である。

以下はここ最近の、昨年末から今年の初めにかけてマスク氏や関連会社のドージコインについて示した動向のハイライトである。

Direct to cellのローンチにて、DOGEのミーム

1月8日、SpaceXは最近打ち上げたモバイル ネットワーク衛星により、 2台の電話間のテキストメッセージング「ダイレクト・トゥ・セル(Direct To Cell)」を可能にした。

その記念すべき最初のメッセージには、「much wow」というフレーズと柴犬の絵文字が含まれており、これらはドージコインに対するミームとして知られている。

「ダイレクト・トゥ・セル」の成功は、地球低軌道上の衛星を利用した世界的なモバイルネットワークを提供するという同社の取り組みにおける最新のマイルストーンとなる。

サイバートラックをDOGE決済で可能に?

昨年12月1日、ドージコミュニティメンバーの一人が、 Tesla社Webサイトでサイバートラック支払いページのソースコードに「DOGE」が50 回以上出現していることを X に投稿した。

これにより、Tesla社がサイバートラックに対するドージコインの支払いの準備を進めているのではないかという憶測が広がった。 ただし、Tesla社もマスク氏もこの支払い方法を正式には認めていない。

Tesla社は、すでに顧客がドージコインで商品を購入できるようにしているが、自動車の購入にそれを有効にすることは、ミームコインにとって大きな変化を示すことになる。 Tesla社は以前、自動車のビットコイン支払いを許可していたが、後に環境への懸念を理由にこのオプションを廃止している。

ハリウッドのTeslaスパーチャージャーでDOGE決済導入

昨年末、Tesla社のスーパーチャージャー・ステーションが、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのハリウッドで順調に進められていることが現地のいくつかのメディアで報道された。

スーパーチャージャー・ステーションは、Tesla社の電気自動車を充電できる急速充電器が設置された場所のことであり、ハリウッドのステーションにはレストランやドライブインシアターも併設される。

マスク氏は、以前Xの投稿で「ハリウッドのスーパーチャージャーでは、もちろんDOGE決済もできる。」と表明している。

この複合施設は、年内に完成予定とのこと。

Doge to the Moon

今年1月中を目指して、ドージコインで資金を集めた月探査ミッション「DOGE-1」が、SpaceXロケットの打ち上げで実施される予定。 DOGE-1ミッションは、40kgのキューブサット(小型の人工衛星)を月に送ることを目的としている。

この衛星は、SpaceX社のファルコン9ロケットを用いて打ち上げられ、月面に関するデータを収集し、地球に送信する。 一連のプロジェクトは、ジオメトリック・エナジー・コーポレーション(GEC)社によって運営されており、昨年に米国の電気通信情報局(NTIA)から重要な規制認可を得ている。

関連:米Astrobotic、ドージコイン(DOGE)をロケットで月へ飛ばす計画

X.com「everything app」への野望

以前よりマスク氏には、包括的な金融サービスや決済を含む「スーパーアプリ」構築の野望があった。 Twitterを買収する理由についてのツイートに応えて、マスク氏は次のように投稿。

「Twitterは元々のX.comのビジョンを実現するための触媒なんだ。」

マスク氏は1999年にX.comという決済会社を立ち上げ、後にPayPalとなるコンフィニティ社と合併する。 そして同会社の社名がPayPalに変更になる前、彼はその会社より追い出されてしまうが、2017年にX.comのドメインをPayPalから買い戻している。

2022年には、Xホールディングを設立し、Tesla社、Spacex、そしてTwitterから買収したXは全てこの傘下に入った。

2021年の仮想通貨の暴騰は、Paypalの仮想通貨決済導入のニュースが大きなきっかけになったことは記憶に新しい。

今年はビットコインの半減期を控え、仮想通貨が争点になると言われる米大統領選挙も行われる。

XのPtoP決済導入は、2021年のデジャヴュとなるのか。 2024年のマスク氏やXの動向については、今後も目を光らせておきたい。

関連:ドージコイン(DOGE)|投資情報・リアルタイム価格チャート

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
01/22 水曜日
18:15
SBI VCトレード、大口取引者向けにビットコインなど6銘柄の貸コイン優遇レート募集
SBI VCトレードが機関投資家向けに優遇年率の貸コインサービスを開始。BTCで年率5%、ETHで10%など、最大年率30%の高利回りを提供。1月23日より募集開始。資産1000万円以上が対象。
17:32
Solana News 24年12月 Recap|Solana Japan寄稿
ソラナ(Solana)の12月を総括。AIエージェント開発が活発化し、Solana AI Hackathonには400以上のプロジェクトが参加。SanctumのCreator Coin、KaminoのDEX展開など新サービスも続々登場。EthereumのPudgy PenguinがSolanaでトークン発行するなど、エコシステムの拡大が進む。
13:30
「公正価値は3000万円超」、ビットコインは国家債務危機に対する有効なヘッジ手段=Bitwiseリサーチ
Bitwiseのリサーチ部門が、G20国債のデフォルトリスクからビットコインの公正価値を試算し、1BTCあたり約21万9,000ドル(約3,400万円)と発表した。
13:10
Osprey Funds、「TRUMP」など7銘柄のETF申請 新政権下のSECに期待か
トランプ政権発足を受け、Osprey Fundsらがミームコインを含む7つの仮想通貨ETFを申請した。新体制のSECの動向に期待が集まっている。
11:20
トランプ一族のWLFI、170億円規模の仮想通貨購入 トロンとの提携も強化
トランプ大統領就任を記念し、WLFIがETH・wBTCなど6銘柄を大量購入した。トロンとの戦略的パートナーシップも拡大していく見込みだ。
09:55
「BTCは数百万ドルまで上昇へ」コインベースCEO予測
仮想通貨取引所コインベースのCEOは、ビットコインの価格は長期的には数百万ドルのレンジまで上昇するだろうとの見方を示した。その根拠も説明している。
09:10
トランプ大統領、シルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏に恩赦 選挙公約を実行
トランプ米大統領は22日、シルクロードの創設者であるロス・ウルブリヒト氏に対し、大統領恩赦を発令したと発表した。
08:40
トランプ政権の仮想通貨政策に期待感、ビットコイン市場の今後の注目点|仮想NISHI
仮想通貨市場は、米長期金利が4.57%へと低下したこと等を受けて上昇基調に推移した。この背景には、トランプ米大統領が就任直後に予想されていた関税引き上げを見送ったことでインフレ懸念が後退したことがある。
08:10
トランプ大統領、TRUMPミームコインについて「よく知らない」 価格反落
トランプ大統領は自身の公式ミームコインである「TRUMP」について「よく知らない」と発言した。このことを受け、反発していたTRUMPの価格は反落し、48ドルから38ドルまで値下がりした。
07:50
ヴィタリック、イーサリアム財団に対する人事圧力に反論
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアム財団の変革を巡るコミュニティのコメントについて意見を述べた。財団に対する人事圧力に反論している。
07:05
米SEC、仮想通貨業界向けの特別タスクフォース設立
米証券取引委員会は水曜日、仮想通貨に関する包括的な規制枠組みの策定に向け、ヘスター・パース委員を責任者とする特別タスクフォースの設立を発表した。
06:50
バンカメCEO、仮想通貨決済に前向き姿勢
米メガバンクのバンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハンCEOは火曜日のCNBC取材で、規制当局が許可すれば米国の銀行は仮想通貨を決済に活用する用意があると述べた。
06:25
トランプ大統領、米国に77兆円規模のAIインフラ投資を発表へ AI関連の仮想通貨が高騰
トランプ大統領が米国における人工知能(AI)インフラ構築に向けた巨額の民間投資を発表する準備を進めている。このニュースを受け、一部のAIエージェント関連の仮想通貨銘柄が反応し高騰した。
06:05
ドージコイン一時高騰、イーロン率いる政府効率化局(D.O.G.E)が公式ロゴ公開
政府効率化局(D.O.G.E)は月曜日のドナルド・トランプ大統領就任を受け、同局と同名の仮想通貨ミームコインドージのロゴを公式ウェブサイトに掲載した。
05:54
マイクロストラテジー、資金調達の株主承認でさらなるビットコイン追加購入へ
マイクロストラテジー社の株主らは今週火曜日、同社の仮想通貨ビットコイン追加購入計画を支援するため、授権株式数を増加させる二つの修正案を承認した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧