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Photo: Wei Liang / Getty Images

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ガーディアン(英国)

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Text by David Barnett

2008年に中国で出版され、2014年に英語版が出たのを機に世界的ベストセラーとなった長編SF小説『三体』。3月には『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作陣による実写ドラマ版が配信され、いまなお新たなファンを獲得している。英紙「ガーディアン」が、本作のヒットの理由やSFとの出会い、実写化、そして物議を醸した過去の政治的発言について、著者の劉慈欣に聞いた。

「中国にもSFはあるの?」


中国人作家・劉慈欣によるSF小説『三体』は世界中で数千万部を売り上げており、2015年のヒューゴー賞をはじめ、数々の賞を受賞している。本作はいま、『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作陣が手がけた実写版が公開されたのを受け、英語版がふたたびアマゾンのベストセラーチャートにランクインしている。

しかし、10年前の英国で、劉や『三体』の名を聞いたことがある人はほとんどいなかった。この小説は、現代の科学者たちの怪死事件を発端として、地球人と異星人の接触の物語へと展開していく。

英国で『三体』の英語版を出版したヘッド・オブ・ゼウス社の代表取締役であるニック・チータムは、出版当初、ロンドンの書店で劉のサイン会を開いても、人が集まるかどうか自信がなかった。

しかし、「書店に着くと、数百人が彼のサインを待っていました。大半は中国人の学生でしたね」とチータムは言う。

「劉には撮影クルーが同行していて、中国のテレビで放送されるドキュメンタリーの撮影をしていました。そのとき初めて、彼が中国で非常に人気のある作家であると知りました。書店での彼はロックスターのようでした」



劉は自分の本の英語版を出すことに意欲的だった。それはひとつには、「米国をはじめとする英語圏の人々に、中国にもSF小説が存在することを知ってもらいたい」と思っていたからだ。

「欧米を旅行したときに現地の人とSFについて話していると、よく『中国にもSFはあるのか?』と聞かれました」と、劉は言う。

「ですが、いまや『三体』は英語圏で300万部以上売れています。建国以来、海外で売れた中国の文学作品の合計よりも多いのです。これは出版社も私も予想していなかったことです」


作者が考える「世界で売れた理由」


チータムは『三体』に出会う前から、非西洋圏のSFを出版したいと思っていた。そんななか、米国のトーア・ブックスから出版されたばかりの『三体』を読んで、すぐに納得した。
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