Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
  • シェア
  • x
  • facebook
  • line
  • hatena

Category Sponsor

SMBC
スタバの新しい戦略の狙いとは Photo by Nicolas Economou/NurPhoto via Getty Images

スタバの新しい戦略の狙いとは Photo by Nicolas Economou/NurPhoto via Getty Images

画像ギャラリー
ファスト・カンパニー(米国)ほか

ファスト・カンパニー(米国)ほか

Text by COURRiER Japon

これまで誰にとっても身近な存在を目指していたコーヒーチェーンのスターバックスが、大きな方針転換を発表した。新しいCEOのもとで、スタバが目指す新たな経営方針とは。

トイレだけの利用はNG


スターバックスが発表した顧客向けの新たな行動規範は、多くの人にとって驚きだった。

これまで、スターバックスは「コーヒーの購入の有無にかかわらず、すべての顧客がトイレやカフェ、パティオを利用できる」と宣言していた。スタバは多くの人の生活に身近な存在となることを掲げていたのだ。

しかし、今回発表された新たな行動規範では、「顧客は店内にとどまるには商品を購入する必要がある」と明言。店内は顧客のためのものであり、ただトイレを利用したい人や座る場所を探している人のためではない」と書かれ、「何かを買わなければ出ていけ」という意味を示した。

この規範は「すべての人にとって魅力的で歓迎されるコミュニティ型コーヒーハウスを作るために、顧客が果たすべき役割を再認識させる」ことを目的とされ、暴力的行為、暴言、喫煙などを禁止するルールも盛り込まれている。この新行動規範は今年1月27日から適用された。大きな方針転換だ。


これまでのスタバ


そもそも、スタバは長年、「サードプレイス」というコンセプトを掲げてきた。「サードプレイス」とは、社会学者レイ・オルデンバーグの提唱した概念であり、家庭や職場以外で地域の人々が集まり、つながる場を指す。公園、図書館、教会、そしてカフェなどが典型例だ。

スタバは、「サードプレイス環境の創出」を企業ミッションの重要な要素として掲げ、人々の生活に密着した身近なコミュニティスペースでありたいという路線を採ってきた。

「サードプレイス」を掲げたのは、ある事件がきっかけだった。フィラデルフィアの店舗でコーヒーを注文せずに知人を待っていた黒人男性2人が、退去を求められた末に逮捕された。

その様子を撮った動画が拡散されると、ブランドのイメージは大きく損なわれボイコット運動まで広がった。これを受けて、スターバックスは広くオープンな利用を認める方針に転換したのだった。


高級ブランド路線へ


しかし、企業が真の公共空間のように振る舞うのは難しい。特に、何千もの店舗を展開し、高価格帯の商品を提供する大手チェーンにとってはなおさらだ、と米ビジネス誌「ファスト・カンパニー」は指摘する。
残り: 834文字 / 全文 : 2084文字
無料会員になると記事のつづきが読めます。

さらに有料会員になると、すべての記事が読み放題!

読者のコメント 0
コメントを投稿するには会員登録が必要です。
クーリエのプレミアム会員になろう クーリエのプレミアム会員になろう
ファスト・カンパニー(米国)ほか

ファスト・カンパニー(米国)ほか

おすすめの記事

loading

表示するデータはありません。

注目の特集はこちら

loading
    • {{ item.type }}
    • UPDATE

    {{ item.title }}

    {{ item.update_date }}更新 [{{ item.count }}記事]

表示するデータはありません。