国学者(1730-1801).旧姓は小津.通称は春庵,中衛,号は鈴屋.
伊勢国松坂の木綿問屋に生まれるが,家業の不振と商家に不向きな性格のため,母の勇断で医学修行に京都へ遊学.上京中,堀景山に漢学を学ぶかたわら,景山を通じて契沖の歌学に触れて開眼.
やがて賀茂真淵に会い,『古事記』研究を託されるとともに正式入門.文通により『万葉集』『宣命』などについての質疑を続ける.後半生は『古事記伝』の完成に勢力を傾け,1798年に終業.
その他,『続紀歴朝詔詞解』『大祓詞後釈』『馭戎慨言』『うひやま踏』『排蘆小船』『源氏物語玉の小櫛』『詞玉緒』など.
長子本居春庭も国学者。高名な弟子に青柳種信などがいる。