チリの切手
ハガキに貼る62円切手や、請求書を送る際に貼る82円切手など、メールが発達した今でも切手を使う場面は多々存在する。ウメやシカが載っている定番の絵柄から、サンリオのキャラクターの絵柄など、その絵柄は様々だ。
これが切手です!
南米・チリにも印象的な切手がある。チリの原住民であるセルクナム族の絵柄の切手だ。セルクナム族はもういない原住民だけれど、寒いチリの南端で服を着ない生活をしていた人々。ぜひその切手を買いたいと思う。
ということで、チリに来ています!
セルクナム族の地
切手になっているセルクナム族はチリの南端・パタゴニア周辺に住んでいた人々だ。南極へ出発する場所にもなっているので、基本的には一年を通して寒い。この地に人が住んでいるとわかったのは1520年。マゼランの艦隊が現マゼラン海峡を通過した時だった。
これがマゼラン海峡です!
この地に住む人々は裸か、アザラシやグアナコの毛皮を一枚身にまとうだけだった。寒いのに服を着る習慣がなかったのだ。真冬には気温がマイナスになることもあるし、風も強い。ごく控えめに言って、めちゃくちゃ寒いのに服を着ないのだ。
これがグアナコです!
気温は0度とか!
めちゃくちゃ寒いです!
この地で、裸で過ごすなんて考えられない。私も半袖になってみたけれど、寒さを通り越して痛かった。でも、裸で過ごしていた人たちがいるのだ。それが切手になっている「セルクナム族」なのだ。彼らは服を着ない代わりに、体に彩色するという道を選んだ。
これがセルクナム族です!
服を着ない代わりにボディーペイントを行う。日常的にこのペインディングを行うことで、寒さから身を守り、狩の際には迷彩色とし、さらに水浴びの代わりにもなった。土や動物の脂から塗料を作り、貴重な色は物々交換の対象にもなっている。
パタゴニアのあちこちにセルクナム族がいます!
日常的にボディーペイントを行ったけれど、長旅に出る際や、格闘技や徒競走の時はもっとはりきった彩色をした。ボディーペイントの種類は様々で、まさかそのように彩色するか、と将棋の神の一手のように私たちを驚かせる。
こんな風にしよう、って思いつかない!
ただ残念なことにセルクナム族は消滅している。彼らの土地に資源目当ての外国人が大量に押し寄せ、伝染病が流行ったのだ。聞いた話では外国人から「服」も伝わったけれど、洗うことを知らなくて病気になったという説もあるようだ。
嬉しくて全部の写真に自分が写っていた
切手を買う
チリのパタゴニアを歩くといたるところに、セルクナム族の人形や顔ハメが置いてあった。もちろん首都のサンティアゴにもある。博物館に行けばお土産屋に可愛くなったセルクナム族のぬいぐるみなどがあるのだ。
顔ハメがあったり、
かわいくなったり!
そして、切手である。いろいろな種類のボディーペイントがあるけれど、有名な6つが切手になっている。どうやら記念切手とかではないようなので、限定発売ではないらしい。ということで、首都サンティアゴの大きな郵便局に足を運んだ。
サンティアゴの郵便局です!
博物館も併設されています!
郵便局の中にはチリの郵便の歴史がわかる博物館もある。実は最初は限定発売の記念切手だと思って、この博物館の切手コレクションを見ていたのだけれど、どうやら普通に買えると郵便局の人が教えてくれた。スペイン語だけどなぜか伝わった、日本語で。
入り口すぐの小部屋に案内されまして、
買うことができました!
値段で絵柄が変わり、10チリペソ、20チリペソ、30チリペソ、50チリペソ、100チリペソ、1000チリペソの6つ。日本円で2円から180円くらいまでの間の値段ということになる。どの絵柄もいいので全部買うことにした。
10チリペソ
20チリペソ
30チリペソ
50チリペソ
100チリペソ
1000チリペソ
買ったところで日本では使えないのだけれど、本当に素晴らしい絵柄だと思い大量に買った。向こうの方は「なんでそんなに買うの?」と驚いていたけれど、私はこの絵柄に驚いて、感銘を受け買ったのだ。もっとも切手としては、日本では使えないんだけどね。
大量に買いました!
地の果ての切手
セルクナム族が住んでいたのはチリの南端なので、地の果てのような場所だ。マゼランが発見するまで誰もこんな地に人が住んでいるとは思わなかった。しかも裸だ。私も行ったので間違いない。寒い。そんな地で服ではなく、ボディーペイントという選択肢を選ぶ。興味深すぎる。獣の脂とかが必要なので真似できないけれど、いつか真似したいと思います。
Nintendo Switchが普通に売っていたけど高かった!(63000円くらいする!)