KKRが西友株か売却へ “買い手”次第で業界に与える甚大な影響とは

取材:小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
構成:編集プロダクション雨輝
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西友(東京都/大久保恒夫社長)筆頭株主の米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が西友の売却プロセスに着手する。2021年に筆頭株主がウォルマート(Walmart)からKKRに変わり、再成長戦略を描いてきた西友。本稿では、専門家の意見をもとに、西友買収の行方、今回のM&A(合併・買収)が業界に与える影響を考えてみたい。

大手小売が買収に名乗り買収後のプランは?

 KKRが西友株の売却を検討している──。

 2025年1月上旬、一部メディアで報じられたニュースが多くの業界関係者を驚かせた。報道によれば、売却の入札には、国内小売最大手のイオン(千葉県/吉田昭夫社長)、「ドン・キホーテ」を抱えるパン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス(東京都/吉田直樹社長CEO:以下、PPIH)、「IT×小売」で急成長中のトライアルホールディングス(福岡県/亀田晃一社長:以下、トライアル)などのほか、投資ファンドなども名乗りをあげているという。

西友
2025年1月、西友株式の85%を握るKKRが西友売却を検討していると報じられた

 21年に楽天グループ(東京都/三木谷浩史会長兼社長:以下、楽天)とともにウォルマートから西友株を買い受け、23年に楽天保有分も取得したKKR。21年3月より、大久保恒夫氏が西友の社長に就任し、事業立て直しを図ってきた。決算公告によると、最新の西友の売上高は6647億円、営業利益率は4%に迫る水準となっている(23年12月期実績)。

 東北、関東、中部、関西と幅広いエリアで店舗展開する西友は、

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取材

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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