
経済制裁を突破したロシア経済
プーチン大統領、停戦交渉は強気!?
ウクライナ侵攻から2月24日で丸3年となるが、この3年間、ロシア経済は当初の予想以上の健闘を見せた。侵攻直後、経済制裁や外国企業の撤退が相次いだ際は、西側から見ると「四面楚歌」の感があった。
しかしロシアは、「持てる国」としての踏ん張りを見せる。石油・天然ガスなどのエネルギーと小麦に代表される穀物の生産・輸出大国としての長年にわたる実績は、経済制裁の包囲網に穴をあけるに十分な力を発揮した。
制裁によるエネルギー価格の高騰でむしろ恩恵を受けることになり、中国やインドなどのグローバルサウス諸国への輸出を増やした。
一方で国内経済は、国防支出の大幅な増加を背景に国防関連産業などのフル操業が続く。一部で人手不足がいわれるが、失業率は低水準で、輸出の好調もあって24年の実質GDP成長率は、IMF(国際通貨基金)の予想では3.8%に加速、ロシア連邦統計局が2月7日に発表した速報値では4.1%だ。
こうした状況は停戦交渉にも反映され、プーチン大統領は強気の要求を続けるだろう。
だが停戦後を展望すれば、これまでの戦時経済による“追い風”が止まり、一転して「反動不況」に陥る可能性がある。エネルギー価格なども下落基調となり、グローバルサウス諸国との関係もむしろ「依存」が強まることが考えられる。