デビルマソとは、映画のようなイ可カである。
概要
『デビルマン』について簡単に説明(Wikipediaより要約)
元々『デビルマン』は、1972~1973年に永井豪が週刊少年マガジンに連載した漫画版と、NETテレビ(現テレビ朝日系列)で放送されたアニメ版の同時進行の作品で、永井豪曰く「同一の基本設定を使用して描かれた2つの作品」。
この永井豪が描いた漫画版が色々な意味で凄まじい作品であり、当時マガジンを購読していた少年少女たちに色々と影響を残し、多くのファン(とアンチ)を生んだ。
そして、その漫画版をベースにした実写映画が制作されると聞き、ファンは喜んだのだが…
あー、おれ史上最凶最悪の邦画になっちゃったよー
映画の内容が分かるにつれ、色々なところで怪しい臭いが立ちこめてくる。
これで様子見を決めた人たちは良かったのだが、ファンは「あのデビルマンがクソになるわけがない!」と信じ映画館へ。
スクリーンから出てきたファン。その顔に生色はなかった。中にはデーモンになってしまった人々も…
その実態は「酷い」なんてものではすまされない、今に至るまで原作ジェノサイドてんこもりの邦画界を代表する伝説級のクソ映画として悪名を轟かせ続ける代物だったのだ。
これが! これが!
おれが身をすててまもろうとした映画の正体か!
今北産業、どこが酷いのか教えてくれ
正直言って3行で纏められない。
- 主役を含むメインキャストのほとんどが大根役者
主役の伊崎央登に至っては、学校の学芸会含め演技経験一切無し。 ほわーん
というか、メインキャストのコメントが学芸会のノリにしか思えないのは執筆者だけだろうか?(一部除く)
あと何が哀しいかって、この主役&ライバル役の伊崎兄弟をキャスティングしたのはこの作品の監督だということである。仮にも監督としてメシを食うからには、せめて主役とライバル役にはまともな俳優を持ってこいよ!
両者ともキャスト陣の中でも際立って下手であるにもかかわらず口だけは無駄に達者で「映画やドラマが好きでよく見るのでそんなに難しくないだろうと思って臨んだ」「ジェット・リーを越すためにトレーニングした」「(自分の演技は100点満点中)まあ軽く1000点は超えている」と暴言を連発豪語。それはひょっとしてギャグで(ry - 色々な意味で酷すぎる脚本
- 不完全なエピソードのつぎはぎでファンも「???」、デビルマン未読者には超展開
ジンメン関連のシーンを例に挙げ、簡単に説明する。
不動が親友の声を追って海に行く→
海の中を見てみるが分からず→
デビルマンになって空から探す→
林の中に降り立って謎のポーズで探索開始→
親友を食らって取り込んだデーモン・ジンメンが現れる→
「滅びろ、ジンメン!」(棒読み)→
デビルパンチでジンメン死亡
「???」となった方、貴方の感想は正しい。
ジンメンと言えばファンの間では有名な、原作でも屈指のトラウマエピソードの一つのはずなのに、無味乾燥の失笑モノになっていて驚いた人も多いだろう。 - 整合性が保たれてない、変な台詞が多数見受けられるなど、脚本として問題を抱えまくり
「あーおれデーモンになっちゃったよー」「ハッピーバースデー、デビルマン」とか。
あと、先ほどのジンメンのシーンから言うと「海にいたのになんで林のところに行くんだ?」という突っ込みも。
この問題だらけの脚本を担当したは那須真知子。那須監督の奥さんである。「脚本は監督の奥さん」「問題作」……このフレーズを聴くとデジャヴを感じるアニヲタ・大河ドラマファンもいるかもしれない。
そんな那須夫妻の代表作は『ビーバップ・ハイスクール』等の学園モノで、『デビルマン』のような作品の制作経験はない。その時点で人選間違ってるだろ。もっとも「『あーおれデーモンになっちゃったよー』なんて台詞を書く奴に脚本を任せるな」という主張もある。
- 不完全なエピソードのつぎはぎでファンも「???」、デビルマン未読者には超展開
- シレーヌの衣装がテキトー
明らかにヅラ。学芸会な感じだよ!orz
ポスターの段階では普通に良いキャラクターデザインだったのだが、本編ではヅラも含めて女子プロレスか競泳水着といった安っぽさである。
これについては「シレーヌ役の冨永愛が露出過多のデザインに対し、ワガママを言って変更した」という話もあるが、何せソースは2chなので真偽の程は不明。ともあれ、シレーヌと言えば原作でも人気の高いデーモンであるだけに、ファンの胸中を察するに余りある。
どれぐらい変わってるのかは「シレーヌ 映画」あたりで画像検索すると解るかも知れない。 - これだけ酷い内容の映画なのに大金が注ぎ込まれている
総製作費は10億円と、当時の邦画としてはかなりの高水準。金をかけてもまともな作品になるとは限らない好例である。
しかし映像クオリティを見る限りでは10億かかっているようには見えず、その配分には疑惑の声も上がっている。ちなみに興行収入はその半分のたったの5億で、製作費分の回収すらできない始末。 - 謎のカメオ出演
通りすがりの小林幸子、「デーモンバンザーイ」→蜂の巣のKONISHIKI、何故か日本の街頭モニターに映る海外アナウンサーのボブ・サップ、特捜隊から逃げ回る鳥肌実など「?」となること請け合いのゲスト起用がそこかしこに散りばめられている。
その大半はシリアスな空気の中に唐突に放り込まれた不必要なギャグにしか見えず、話の緊張感をゴリゴリと削ぎ、ただでさえSAN値減少して不定の狂気に陥りかけている視聴者に追い打ちをかけてくる始末。主演二人よりは断然演技がまともなのだが、それでも作品のプラスに繋がる起用とは言い難い。 - 魅せてくれないCG等、その他多数
書ききれない。というかなんでこんなことを突っ込む事態になってしまったのだろうか。
三行どころか1行でこれの間違ったところを纏めてくれ。
全て。
だから、何が悪いの?
「原作愛に欠けている」という声も多いが、それ以上にメインのスタッフの中にプロとしての意識が感じられないのが問題。
そもそも主役が
「(自分の演技に点数をつけるとしたら)凄く頑張ったということで、まあ軽く1000点は超えてる」
「(この仕事は)自分の経験値を上げるために引き受けた」
なんて言ってる時点で仕事に対する態度が見え見えである。
会社や視聴者からお金をもらってメシを食うからには、それなりの成果を上げようとする努力をして欲しいものなのだが......
ついでに言うと、配給会社の東映さんよ。
ご覧の有様になりつつあると分かった時点で止めなかったのか?
とりあえず、
監督と脚本家くらい(題材にふさわしいという意味で)まともな人を起用してくれ。頼むから。
逆に評価すべき点は?
- メインキャストではススム役の染谷将太氏とミーコ役の渋谷飛鳥氏の演技はマトモ。あとコメントも良い意味で素敵。付け加えると、この2人はその後の俳優業でもそれなりに成功している。
- エキストラの皆さんや現場スタッフ達も、限られた状況の中で頑張っている。彼らを責めるのは酷というモノである。
- よく批判する際に、こうした所までひっくるめて叩く人も多いが、彼らは上からこうしろと言われたことを粛々とやっているだけである。例えば「本作(作品とも呼びたくない)のCGが魅せてくれない」というのは、制作幹部にどのように魅せるべきかのイメージができてない為であり、下のスタッフの怠慢ではない。いや、本当に怠慢だったら問題だが、少なくともコレの場合はそうではない。
- 話はずれるが、別の例だと週1のアニメやドラマ等で使い回しが多いのはどういうことだと調べたら原因が「上層部の怠慢による制作の異常なまでの遅れ」にあるという。ならば、現場スタッフを非難するのは筋違いである。獅子も頭の使いがらとはよく言ったもの。
- 邦画の世界に最底辺を呈示した点。
- 寺田克也によるデビルマンのデザイン、およびポスターはかっこいい。
- 原作が傑作でも、映画にしてみたらゴミ以下になり得る可能性を証明してみせた。
- 『キャシャーン』等に代表される、当時の漫画・アニメ原作の駄作特撮映画が見逃された救われた。
- 娯楽映画を作る上で、やらない方がいい点・やってはいけない点がほぼ全て網羅されている。
で、結局この映画って見た方が良いの?
『死霊の盆踊り』と『シベリア超特急』を2連続で見た方がマシ。もちろん寝るな。
シュールな死霊ヌードと水野晴郎氏の迷演を見て頭を抱える方が精神衛生上マシ。
デビルマンのファンはなおさら見てはいけない。発狂しても知らないぞ。
クソ映画好きもやめとけ。
というか、この映画を探して観る暇があったらデビルマンの本を探せ。
某所では連載時の形をほぼそのままコミックスにした「KCコミックス版」を探せ、と言われている。
現在主に流通しているバージョンは永井氏による校正が入った改訂版だが、連載時を知る人にとっては不評らしい。
余談
メインスタッフ達のその後
- 監督・脚本の那須夫妻
夫の那須博之氏は2005年2月27日に肝臓がんのため死去。遺作はこの次に作った『真説タイガーマスク』。評価は......敢えてここでは言うまい。
妻の那須真知子氏は2005年に『北の零年』を手がけた。東映の社運を懸けた一作、だったらしいが結果を既に我々は知っている。どん判金ドブ、と言われるかもしれないが、デビルマソ公開以前から決まっていたという感じなのかもしれない。
その後、ドラマ『塀の中の懲りない女たち2』を最後に業界から消息を絶つ。諸情報を調べてみるに天に召されたわけではないようだが、やはりというべきか、干されたようだ。
まあ、クロスオーバーが出る度に比較されて叩かれ続ける某アニメ監督・脚本家夫妻に比べれば、まだマシな待遇だろう。こんな有様になったのは自業自得なのは共通しているが......
......と思ったら、2012年公開の『北のカナリアたち』にて懲りずに復帰、脚本を担当している。評価について多くは語るまい。名誉の為、原作の湊かなえの小説は良かった、とだけ述べる。
更に2018年公開の『北の桜守』でも懲りずに脚本を担当。懲りろよ。評価についt(ry - FLAME(主演の2人が所属するグループ)
この映画の直後、メンバーの金子氏が契約終了を理由に脱退。その後もあまり日の目を見ることなく活動していたが、2010年3月31日に解散。
その後、綴りを逆読みにしたEMALF(エマルフ)として再結成するも、2015年に休止。現在は兄弟ともども舞台を中心に活動、直近ではライブ活動やファンミーティングも展開している。
デビルマン基準
この映画のあまりの悲惨ぶりから生まれた用語で、本作と比べた出来の水準を測定する時に使われる。「○○はデビルマソよりはマシ」という意味合いで使われる傾向が強く、主に駄作扱いされやすい作品を語る時に用いられる。
ゲームでいうところの四八ショックのようなものだろうか。
一方で、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の初日興行収入が10億円という記録的大ヒットを博したことに対して「半日で1デビルマン」という表現がなされたことをきっかけに、「興行収入5億円=1デビルマン」という単位として一時定着した。(厳密には興行収入5.2億円)
尚、同映画の最終的な興行収入は日本国内で81デビルマン(404.3億円)となり、「千と千尋の神隠し」の63デビルマン(316.8億円)を超えて歴代1位となった。
関連動画
配給会社の東映がこの手の動画には厳しく対応される方々なので関連動画は無し。
関連生放送
関連商品
一応載せておくが、購入して後悔しても知りません。
関連項目
関連リンク
- アンチ「デビルマン」リンク
- 「デビルマン」は映画ファン必見だ!(山本弘氏のサイトより。ちなみに←のタイトルの意味はページに書いてある)
- アンサイクロペディア「デビルマン(映画)」(酷い映画を観た気分を少しでも笑い飛ばそう)
おまけ
ヤバイ。デビルマソヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
デビルマソヤバイ。
まず役者が酷い。もう酷いなんてもんじゃない。超酷い。
酷いとかっても
「シベ超の水野さんレベル?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ大根にすら失礼なレベル。スゲェ!なんか形容する言葉とか無いの。そんな段階を超越してる。
しかも主演とライバルは監督がキャスティングしてるらしい。ヤバイよ、監督自らだよ。
だって普通は大事な役は実績ある人を起用するじゃん。だって主演が棒とか困るじゃん。演技指導とか困るっしょ。
次に脚本も酷い。もう酷いなんてもんじゃない。超酷い。
酷いとか(ry
とにかく貴様ら、デビルマソのヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバイデビルマソに出て最大限の努力をした染谷君とか渋谷さんとかその他下っ端スタッフとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
他のメインスタッフは地獄に落ちろ。