Dream Theater(ドリーム・シアター)とは、アメリカのボストンで生まれた
プログレッシヴ・メタル・バンドである。略称はドリムシ、ドリシア、シアター、DT等。
概要
プログレッシヴ・メタルの立役者とも言える、プログレメタル界を代表するバンド。
彼らをプログレと呼ぶべきか否かで論争が起きる事がしばしばあるが、ここでは割愛する。
メンバー全員が、常人ではとても追いつけないような超絶技巧を身に付けている。
変拍子・変調がたびたび登場する、一瞬先の展開さえ予測できないような楽曲を多く制作する。
また、曲の長さが10分を軽く超えてしまう事もしばしばである。必要とあらば、20分や40分を
超える曲だって作ってしまう。あまりに超絶技巧なので、「人間らしさが感じられない」
「音楽はテクニックだけじゃない」などと批判される事もあるが、彼らは決して小技が上手いだけの
バンドではない。攻撃性の強い曲や、変拍子・変調を多用する曲ももちろん製作するが、
心にしみるバラードを作る事もある。そして、そんな曲を演奏する時、彼らの音からは温かみが溢れている。
また、自分達が影響を受けたバンドの名アルバムを丸ごとカヴァーし、2日連続などで行われるライヴの
2日目に披露する事で知られている。カヴァーをやる理由は、決して他バンドの曲をおまんまのタネに
するためではない。自分達やファンが楽しいからというのももちろんあるが、そうしてカヴァーした
曲達を吸収し、次回自分達で作曲するときにより良いものを作れるようにしているのである。
全員が超絶技巧の持ち主なので、結構難しい曲でも簡単に演奏してしまう。恐ろしい子達!
ちなみに結成当初のバンド名は『Majesty』だったが、デビュー直前にマジェスティというジャズバンドが
ラスベガスに存在し、相手側が訴訟を起こすつもりらしいという話を聞いて、名前を急遽変更せざるを
得なくなった。現在の名前を提案したのは、ポートノイの父親である。近所の映画館の名前だったらしい。
2010年9月、突如としてバンドの中心人物であるマイク・ポートノイの脱退が発表された。
バンドメンバー
ジョン・ペトルーシ(John Petrucci)
担当パートはギター。『ペトルーシ』ではなく『ペトルッチ』が正確な発音らしい。
ドリーム・シアターのオリジナル・メンバーの1人である。 身長180cm。
指の長さは中指の先から人差指側の付け根までで8.9cmとやや長め(過去のYOUNG GUITAR記事より抜粋)。
高校時代に音楽理論を学び、その後ボストンにあるバークリー音楽大学に進学。練習室でギターの練習を
していた時に、たまたまポートノイと出会った。その音楽性に共通するものを見出した為、二人はバンドを
組むことにした。
3rdアルバム『Awake』の頃から7弦ギターを使用しており、スティーブ・ヴァイやKornらとともに、
当時の7弦ギターの先駆者的役割を果たしている。時々7弦すら超えて、6弦ギターと12弦ギターの
ダブルネック・ギターとか使いだしたりするからびっくりする。アコースティック・ギターも勿論使う。
ギター以外に、シタールという東洋の楽器も好き。でも、シタールも弦を弾いて音を出す楽器である。
よく詞を書き、内容はかなりシリアス。19/8拍子のプログレメタル等、複雑で重厚な曲を作るのを
得意とする。完璧主義者なので、作った曲をライヴで弾く時には、まず間違えない。あまりにも
間違えないものだから、実際ライブでミスったり荒かったりすると驚かれることがしばしばある。こういう事を
書くと怖い人のようだが、性格は穏やかでジョーク好き。一時期髪を短くカットし、体型もスリムで
イケメンだったのだが、近年は髪が伸び、少し体が横広くなった。ちょっと野人っぽくなった彼を、
一部ファンは「フトルーシ」と呼んだりする。
ギターの腕前の話なのだが、かなりすごい。若い頃からたくさん練習したおかげで、ありとあらゆる
ギターテクニックをマスターしている。特に速弾きの正確さと速さの話をすれば、マシンガンピッキング等の
フルピッキングはもはや神の領域に到達しており、彼に勝てる人物はそうそういない。
あまりにギター演奏が正確すぎて「機械のようで人間味に欠ける」という批判を受けていた時代もあったが、聴く者の心に訴えかける泣きのフレーズを習得した事により、そのような批判は減り、多くのロックや
ヘヴィメタルのギタリストから尊敬される存在となった。バラード曲における彼のギターソロは、
思わず涙がこぼれそうになる事も多い。特に「Hollow Years」や「The Best Of Times」のギターソロは絶品である。
ジョン・マイアング(John Myung)
担当パートはベース。以前は『ジョン・ミュング』と表記される事が多かった。
本名はジョン・ロ・マイアング(John Ro Myung)。6弦で速弾きするがベース担当である。
ドリーム・シアターのオリジナル・メンバーの1人である。 身長170cmとやや小柄。
元々はヴァイオリンを弾いていたが、15歳の頃友人に勧められてベースに転向。高校卒業後、
バークリー音楽大学に進学し、旧知の仲であったペトルーシに誘われて、ポートノイらと共に
バンド『Majesty』を結成した。
動画を見ると分かる通り、髪の長さが異常である。演奏中邪魔にならないのか、と問いたくなるほど、
その髪は長い。事実、演奏中に前髪が邪魔になると首を振って回避している。一部ファンは、その容姿から
彼の事を『貞子』と呼ぶこともある。
性格は物静かでポーカーフェイス。その物静かさが半端ではない。静かすぎる。あまりに静かすぎて、
公の場ではほとんど喋らないほどである。たとえメンバー全員集合でインタビューされている時であっても、ほとんど黙ったままそこにいる。時々彼が発言するシーンを見ると、思わず「マイアングが喋った……」と
謎の感動をしてしまう。また、同じくベーシストの妻がおり(妻はヘヴィメタル・バンドのベーシスト)、
子供もいる。休日はなるべく家族と共に過ごす良き父親である。
彼のベーシストとしての特徴は、なんといっても超高速スリーフィンガーピッキングである。
高速&複雑なフレーズであっても、3本の指を器用に動かし、パワフルに弾きこなしてしまう。
別にパワフルな演奏しかできないわけではなく、柔らかいタッチの演奏も可能である。
また、そこらへんのギタリストよりもタッピングが上手く、そのメロディアスなフレージングに関してはギタリストのスタンリー・ジョーダンから影響を受けているそうだ。
現在使用しているベースはミュージックマン社製のBongoの6弦ベース。以前エンドース契約を結んでいた
ヤマハから乗り換えた際は同モデルの5弦ベースを使用し、それはアルバムの「Systematic Chaos」の
メイキングビデオでも確認できる。その後6弦モデルが完成したため、同アルバムを引っさげてのツアーでは6弦モデルを中心に使用している。2009年のBlack Clouds & Silver Liningsツアーまでは前述の6弦モデルを使用していたが、 2011年のA Dramatic Turn of Eventsツアーからは5弦用のネックに6弦を張った(=弦間ピッチを狭くした)ものを使用している。残念な事にミュージックマンはシグネチャーモデルを発売しない方針の為、市販の予定は無い模様。
徹底した自己管理で知られ、何時も早寝早起きをし、やらなければならない事を午前中に済ませると、あとは夕方までずっと練習し続ける。ウォーミングアップだけで数時間かけるというのだから、
その気合の入りっぷりが伺える。あまりに練習しすぎて成績が下がり、また、髪の毛が貞子みたいだったので、父親と喧嘩したこともあるという。また、ライヴ前には腕立て伏せを100回もするなど、まさに練習の鬼である。
ジョーダン・ルーデス(Jordan Rudess)
担当パートはキーボード。3代目キーボーディストである。
スキンヘッドがよく似合う男。決して禿ではない。
メンバーの中でも結構男前で、顔も結構小さくスタイルもなかなか。
あと数年で還暦(1956年生まれと他のメンバーより一回り上の世代)だが、
歳をとったと感じさせない若さと渋みが上手く合わさって、素晴らしい風格を醸し出している。
彼が小学校2年生の頃(当時まだスキンヘッドではない。禿でもない)、学校の先生が「ジョーダン君は
とっても上手にピアノを弾くんですよ」とルーデスママに伝えたのをきっかけに、本格的なピアノの
レッスンを始め、なんと弱冠9歳にしてジュリアード音楽学院に入学した。スキンヘッドにはほど遠い
クラシックの世界に入りかけた彼だったが、段々とプログレに興味を持ち始め、そっちの道に進む
決意をしてしまった。
その後、「Liquid Tension Experiment」というプログレッシヴ・メタルのプロジェクトにてポートノイや
ペトルーシと共演。当時まだイケてる長髪が自慢だったルーデスに、ポートノイが惚れ込んでしまった。
そこでポートノイが「一緒にドリーム・シアターでやらないか」と誘った結果、ルーデスは
ドリーム・シアターに加入したのである。そして、加入後しばらくして、何故か髪を全部剃って、
スキンヘッドになってしまった。重ねて言うが、禿げた訳ではない。
ユーモアの塊とでも呼びたくなるような、面白い人物である。レコーディング中も冗談を言って周りを
和ませたりする。
彼は別に面白いだけの人物ではなく、キーボードを演奏する能力もかなり高い。
普通のバンドのキーボードディストといえば、ライヴにキーボードを何台も持ち込み、それをそれぞれ状況に合わせて使い分けるというスタイルが一般的である。彼の場合は対照的にマスターキーボードを1台だけ
設置し、他の音源モジュールをコントロールするというMIDIの恩恵を最大限に生かしたセッティングと
なっている。また特色として回転する特注のキーボードスタンドを使用している。最新のものでは水平方向に
回転するだけでなく、油圧シリンダーを用いて垂直方向に傾ける事ができる。観客の方に鍵盤を見せて演奏
出来るが、ライブ中に傾けたまま動かなくなり困ったことになったこともある模様。
教則ビデオ「Keyboard Madness」の中で本人が語る所によると、あるキーボードから他のキーボードに
手を移動させる時にどうしてもタイムラグが生じてしまうから鍵盤は1台のみ設置する事にしているとの事。多数の音色を曲中で切り替える必要があるため足下には音色切り替え用のフットペダルと、その他に
サスティンペダル、リード用のワウペダル、楽譜を表示しているMusicPad Pro用の譜めくりペダルが
設置されている。これらのペダルはスタンドが本来の位置から回転しても問題ないように2組設置されて
いる。最近のツアーではショルダーキーボードであるZen RifferやiPhoneを使ってソロを演奏するなどの
新しい試みを見せている。ちなみに2004年に日本武道館で行った講演当時のセッティングについては、DVD「Live at Budokan」にて本人が説明しているコンテンツがあるのでそちらを参照されたい。
機材だけではなく、勿論凄いのは彼の指の動きである。彼ほどに正確な演奏をできるキーボーディストは、
なかなかいない。しかも、あまりに上手すぎるので、簡単なフレーズの時なら手元を見ずに周りを見ながら
ニヤニヤしていることがよくある。もちろん、複雑なフレーズになってくるときちんと手元を見る。
そして、ペトルーシのギターと完全なユニゾンを見せてくれたりする。
前述の通り、クラシックピアノ出身なためか、繊細なタッチでの演奏も非常に得意としており、表現力も高い。
これらのこともあってか、『キーボードの魔術師』と呼ばれている。
なぜかキーボードの側面に鯛のシールが貼ってある。何の意味があるのかは不明。
ジェイムズ・ラブリエ(James LaBrie)
担当パートはヴォーカル。タンバリンではない。本名はケヴィン・ジェイムズ・ラブリエ。
なお雇われメンバーではなく、正式メンバーである。ドリーム・シアターの2代目ボーカリスト。
身長はペトルーシより少し低いが、ガタイがよく顔が大きいため非常に存在感がある。
現在は歳相応な感じに落ち着いているが、若い頃はなかなか整った顔立ちをしていた。そこ、石原良純とか言うな
期待の新人と言われていたものの、まだそこまで有名でなかった頃のドリーム・シアターがヴォーカルを
募集していた時、それに立候補した人物のうち一人がラブリエであった。ポートノイは彼に惚れ込み、
他の有能なヴォーカリスト200人を全員切って、ラブリエをヴォーカリストとして採用した。
あまり作曲には参加しないが、作詞はする。彼の作る曲は、反戦の歌が意外と多かったりする。
ラブリエは、ドリーム・シアターで一番ネタにされる男である。理由は何といっても、
ドリーム・シアターの音楽性にある。最初の方で書いた通り、ドリーム・シアターは長い曲をよく作る
バンドである。その長い曲の中身をよく見てみると、歌有りのパートよりも歌無しのパートの方が
長いという事もしばしばである。そもそもインスト曲、要するにヴォーカルパートが存在しない曲まである。
つまり、常に演奏して超絶技巧を見せつけている他のメンバーに比べ、圧倒的に目立てるシーンが
少ないのである。その『目立ちにくい』という部分をよくネタにされ、一部ファンからは『ハブリエ』という
超不名誉な名前で呼ばれてしまったりしている。あまりに目立たないので、BURRN!誌の広瀬和生に
「あなたは雇われメンバーですか? それとも正式なメンバーですか?」と失礼極まりない質問をされ、
キレた事もある。また、ライヴ中に歌っていない間タンバリンを叩いている姿がよく目撃されることから、
「彼はヴォーカルというよりタンバリニストではないか」という人もいる。無論ネタである。
彼の名誉のために書いておくと、彼の歌は決して下手なわけではない。とにかくメタル・シンガーとしては
異常なまでの音域の広さが特徴であり、ホントに地声の範疇かと疑いたくなるような驚異的な高音で歌うことができる。
(確認できる範囲では、mid1B~hihiAまでの3オクターブ弱の声域を誇る。声質はテノールに近く、中音域から若干高めのキーまでが得意。)
また、その優しい歌声からヘヴィ・チューンは不得意なイメージがあるものの、全然問題なかったりする。その歌唱力たるや、ラブリエに歌ってほしいがために、わざわざヴォーカルを一時的にクビにし、
代わりのメンバーとしてラブリエを加入させようとしたバンドがあるほどである。実際、ポートノイも
ラブリエについて「どんな曲でも歌える」と評価している。また、一方で『Instrumedley』という、
十数分に及ぶラブリエいじめ的なパフォーマンスも披露するあたり、なかなか厳しい。
食中毒によって危うくそのヴォーカリスト人生を失いかけた事がある。
休暇中、激しい嘔吐で声帯を痛め、3人の医者に診てもらったが、「これはもうだめだ、せめてゆっくり
喉を休めなさい」と、さじを投げられてしまった。が、その喉で日本公演に参加してしまったというのだから
オドロキである。現在に至るまで好不調の波が激しかったが、
ここ数年は、今までの経験による円熟もあってかライブでも非常に情感溢れる歌唱を披露するようになった。
マイク・マンジーニ(Mike Mangini)
担当パートはドラムス。ドリーム・シアターの2代目ドラマーである。
身長は165cmとバンドのメンバーの中では一番ちっちゃい。
ただし彼のひょうきんな性格や振舞い(後述)もあってか結構かわいく見える。
以前在籍及びサポートしていたバンドは多く、代表としてExtreme、スティーヴ・ヴァイ、Annihilatorが挙げられる。
2000年から2010年までの10年間、メンバーの出身校でもあるバークリー音楽大学で教鞭をとっていた。
2010年に、リーダー的立場だったマイク・ポートノイの後任ドラマーとしてドリーム・シアターに加入。
2002年から2005年にかけてドラムの連打最速記録を5つ保持していたことにもあらわれているように、
高速かつ正確なテクニックを得意とし、中でも片手でドラムロールを決めるなど、ストロークにおける技術は非常に高い。また、前任のマイキーが手数の多さが目立ったのに対し、マンジーニはパワータイプと思われているが、パワーヒッターな上にめちゃめちゃ手数が多いというチート級スペックのドラマーである。
あと、ドラムセットもマイキーに同じく多点セットで、マイキーが3バスだったのに対しマンジーニは4バスのセッティングになっている。わけがわからないよ
ライブ中に変な行動(例:アヘ顔片手ロール)をして笑いをとるなどかなりお茶目な性格をしている。
元バンドメンバー
マイク・ポートノイ(Mike Portnoy)
担当パートはドラムス。愛称はマイキー。ドリーム・シアターの初代ドラマーであった。
ドリーム・シアターのオリジナル・メンバーの1人である。
ドリーム・シアターのリーダー的存在で、ビジネス的な部分や、ライヴビデオの編集、CDの限定版発売など、
細かい部分まで色々と仕切っている。もちろん、音楽的な面でも、高度な音楽理論を持ったメンバー達の
意見をまとめあげ、それを編曲することのできる、良きリーダーである。また、曲だけではなく詞も
よく作る。
性格は穏やかで、ユーモアもある。面白いジョークを言って周囲の人間を和ませるムードメーカー的
役割もあるが、バンド内で意見がぶつかったりするような時は、声を荒らげたりして結構怖いらしい。
好きなスポーツはバスケットボール。あと日本も好き。既婚者で、『マックス』と『メロディ』という
2人の子供がいる。
彼のドラムについて語る時、真っ先に言われるのは、やはりドラムセットの独特さである。
関連動画を見ると分かるのだが、彼のドラムセットは、彼自身をぐるりと取り囲むようにして
設置されており、まるで要塞か何かのようにも見える。ツーバス (バスドラム2台)を超えた
スリーバス(バスドラム3台)の存在感、一体何個あるんだ、と数えるのにも苦労するような多さのタム、
やはり明らかに多すぎる シンバルなど、一般のドラマーでは真似できないとんでもないドラムセットを
用いるのである。ちなみに、このドラムセットは日々進化する。
ドラムの数も多いが、その手数も異常なまでに多い事で知られている。先ほど紹介した要塞ドラムのタムを、端から端まで叩きながら移動するなどの芸当 を見せ、ドラムなのにメロディアスさすら感じられる。
曲の終わりにぴょんぴょん飛び跳ねながらシンバルを叩くなど、お茶目な一面も見せる。
ちなみに、あまりに手数が多すぎて、ついに腱鞘炎になった。現在は何ともないようだが、腱鞘炎には
一度なるとくせのように何度もなると言われているので、今後が心配される。
時々ヴォーカルを担当する事もある。
2010年9月、自身のHPで突如脱退を発表。世界中のファンに衝撃を与えた。
ケヴィン・ムーア(Kevin Moore)
担当パートはキーボードだった。1985年から1994年まで在籍していた。
ドリーム・シアターの初代キーボーディストであった。
ドリーム・シアターのオリジナル・メンバーの1人である。
ポートノイとバンドを組む事にしたペトルーシとマイアングが、バンド仲間だという事で連れて来たのが
彼であった。二人とケヴィンは高校時代の知り合いで、彼はニューヨーク州立大学フレドニア校音楽学部に
進学していた。つまるところ、『Majesty』及びドリーム・シアターの初期メンバーということになる。
見た目はちょっと怖そうだが、ギャグを言うのが大好きで、周囲を笑わせずにはいられない男で
あったという。
彼の在籍していた間に作られたドリーム・シアターの曲は、その半分ほどが彼の作曲であったそうである。
作曲に関してはかなりのセンスを持っていたが、演奏能力は後任のキーボーディストのほうが上であったと、メンバーは語っている。そのせいかは分からないが、彼のキーボードソロは、ルーデスのように手数が
極端に多いという事はあまりない。
ドリーム・シアターのキーボードとして活躍しながらも、新たな音楽性を模索し続け、
ついにドリーム・シアターを脱退。そして、バンド『Chroma Key(クロマ・キー)』を興し、
ドリーム・シアターの時とは違う、電子的なサウンドを追い求めていった。
ちなみにその後、『OSI』というプログレッシヴ・メタル・バンドで、再びポートノイと共演する
機会があった。彼らは、ドリーム・シアターのヘヴィさとクロマ・キーのメロディアスさがひとつになった
楽曲を製作した。
ちなみにラブリエは、彼と名前がカブるからという理由で『ジェイムズ』を名乗っている。
クリス・コリンズ(Chris Collins)
担当パートはヴォーカルだった。1985年に加入したが、翌年11月解雇された。
『Majesty』の初期メンバーであった。解雇の理由は、声域が狭かったかららしい(音楽性の違いとも)。
彼がボーカルをとったオフィシャル盤は存在しない。極少数のブートレグでその声を聴くことが出来る。
チャーリー・ドミニシ(Charlie Dominici)
担当パートはヴォーカルだった。ドリーム・シアターの初代ヴォーカリストであった。
ドリーム・シアターのオリジナル・メンバーの1人である。
クリスの後任ヴォーカリストとして、1987年から1989年まで在籍していた。
裏声を多用するのが特徴。声量がラブリエより少し少ないが、オリジナリティに富んだ歌声である。
個人的なゴタゴタがあり、ドリーム・シアターを脱退。ドリーム・シアターのメンバーが
次のヴォーカリストを見つけるまで、実に2年の歳月を要する事となる。ちなみに、そうして見つかった
ヴォーカリストが、ラブリエである。彼はその後も音楽活動を続け、ついに、自分をリーダーとした
プログレッシヴ・メタル・バンド、その名も『Dominici』を結成した。
今でも時々ドリーム・シアターのライヴに呼ばれ、その歌声を披露している。
デレク・シェリニアン(Derek Sherinian)
担当パートはキーボードだった。ドリーム・シアターの2代目キーボーディストであった。
ケヴィンの後任として、1995年から1998年まで在籍していた。
五歳からピアノを始め、高校の時奨学金を得てバークリー音楽院に入学。ドリーム・シアターのメンバーには
バークリー出身が多いが、実は当時、バークリーは入学試験に合格しなくても誰でも入学できた。
しかも、初期メンバーは皆忙しくて学校を辞めてしまったので、きちんとバークリーを卒業したのは
彼1人だったりする。
様々なバンドを経てドリーム・シアターに参加し、2枚のCDに携わった後、脱退。
その後『Planet X』というプログレッシヴ・メタル・バンドを結成し、今まで渡り歩いてきた
様々なバンドでの経験を生かした楽曲を多く製作している。
もちろん、ドリーム・シアターの複雑な曲構成も、彼らの作品には活かされている。
即興性・ノリを重視したプレイが特徴。
交友関係がメチャクチャ広く、すかんちのキーボード担当だった小川文明と友達だったりする。
ディスコグラフィー
シングル
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 1989年 | Status Seeker(ステイタス・シーカー) | |
2nd | 1989年 | Afterlife(アフターライフ) | |
3rd | 1992年 | Another Day(アナザー・デイ) | |
4th | 1992年 | Pull Me Under(プル・ミー・アンダー) | |
5th | 1993年 | Take the Time(テイク・ザ・タイム) | |
6th | 1994年 | The Silent Man(ザ・サイレント・マン) | |
7th | 1994年 | Caught in a Web(コート・イン・ア・ウェブ) | |
8th | 1994年 | Lie(ライ) | |
9th | 1995年 | Tears(ティアーズ) | |
10th | 1997年 | Burning My Soul(バーニング・マイ・ソウル) | |
11th | 1997年 | Hollow Years(ホロウ・イヤーズ) | |
12th | 1997年 | You Not Me(ユー・ノット・ミー) | |
13th | 1997年 | Metal Sampler(メタル・サンプラー) | |
14th | 1999年 | Home(ホーム) | |
15th | 2000年 | Through Her Eyes(スルー・ハー・アイズ) | |
16th | 2003年 | As I Am(アズ・アイ・アム) | |
17th | 2007年 | Constant Motion(コンスタント・モーション) | |
18th | 2008年 | Forsaken(フォーセイクン) | |
19th | 2009年 | A Rite of Passage(ア・ライト・オヴ・パッセージ) | |
20th | 2009年 | Stargazer(スターゲイザー) | |
21th | 2009年 | Tenement Funster / Flick of the Wrist / Lily of the Valley (テニメント・ファンスター 〜 フリック・オヴ・ザ・リスト 〜 谷間のゆり) |
|
22th | 2009年 | Odyssey(オデッセイ) | |
23th | 2009年 | Take Your Fingers from My Hair (テイク・ユア・フィンガーズ・フロム・マイ・ヘア) |
|
24th | 2009年 | Larks' Tongues in Aspic, Pt.2(太陽と戦慄 パート2) | |
25th | 2009年 | To Tame a Land(惑星征服) | |
26th | 2009年 | Wither(ウィザー) | |
27th | 2010年 | Raw Dog(ロー・ドッグ) | |
28th | 2011年 | On the Backs of Angels (オン・ザ・バックス・オヴ・エンジェルズ) |
|
29th | 2012年 | Build Me Up, Break Me Down (ビルド・ミー・アップ, ブレイク・ミー・ダウン) |
|
30th | 2013年 | The Enemy Inside(ザ・エネミー・インサイド) | |
31th | 2013年 | Along for the Ride(アロング・フォア・ザ・ライド) | |
32th | 2014年 | The Looking Glass(ザ・ルッキング・グラス) |
スタジオ・アルバム
ミニ・アルバム
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 1995年9月19日 | A Change of Seasons(ア・チェンジ・オブ・シーズンズ) | CD コンパクトカセット |
2nd | 2009年9月15日 | Wither(ウィザー) | ダウンロード プロモーションCD |
ライヴ・アルバム
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 1993年9月3日 | Live at the Marquee (ライヴ・アット・ザ・マーキー) |
CD コンパクトカセット アナログレコード(LP) |
2nd | 1998年10月27日 | Once in a Livetime (ワンス・イン・ア・ライヴタイム) |
CD コンパクトカセット |
3rd | 2001年9月11日 | Live Scenes from New York (ライヴ・シーンズ・フロム・ニューヨーク) |
CD コンパクトカセット |
4th | 2004年10月5日 | Live at Budokan(ライヴ・アット・武道館) | CD コンパクトカセット |
5th | 2006年8月29日 | Score: 20th Anniversary World Tour Live with in The Octavarium Orchestra (スコア〜フル・オーケストラ・ライヴ 2006) |
CD |
6th | 2008年9月30日 | Chaos in Motion: 2007–2008 (ケイオス・イン・モーション:2007-2008) |
CD |
7th | 2013年11月5日 | Live at Luna Park(ライヴ・アット・ルナ・パーク) | CD |
8th | 2014年9月30日 | Breaking the Fourth Wall | CD |
コンピレーション・アルバム
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 2008年4月1日 | Greatest Hit (...and 21 Other Pretty Cool Songs) | CD |
ライヴ映像
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 1993年11月16日 | Images and Words: Live in Tokyo (イメージズ・アンド・ワーズ ライヴ・イン・トーキョー) |
|
2nd | 1998年10月27日 | 5 Years in a Livetime(ライヴタイム) | |
3rd | 2001年3月20日 | Metropolis 2000: Scenes from New York (メトロポリス2000) |
|
4th | 2004年10月5日 | Live at Budokan(ライヴ・アット・武道館) | |
5th | 2006年8月29日 | Score: 20th Anniversary World Tour Live with in The Octavarium Orchestra (スコア〜フル・オーケストラ・ライヴ 2006) |
|
6th | 2008年9月30日 | Chaos in Motion: 2007–2008 (ケイオス・イン・モーション 2007-2008) |
|
7th | 2013年11月5日 | Live at Luna Park(ライヴ・アット・ルナ・パーク) | |
8th | 2014年9月30日 | Breaking the Fourth Wall |
オフィシャル・ブートレッグ(公式海賊盤)
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 2003年 | The Majesty Demos 1985-1986 | |
2nd | 2003年 | Los Angeles, California 5/18/98 | |
3rd | 2003年 | The Making of Scenes from a Memory | |
4th | 2004年 | When Dream and Day Unite Demos 1987-1989 | |
5th | 2004年 | Tokyo, Japan 10/28/95 | |
6th | 2004年 | Master of Puppets | |
7th | 2005年 | Images and Words Demos 1989-1991 | |
8th | 2005年 | The Number of the Beast | |
9th | 2005年 | When Dream and Day Reunite | |
10th | 2006年 | Awake Demos 1994 | |
11th | 2006年 | Old Bridge, New Jersey 12/14/96 | |
12th | 2006年 | Dark Side of the Moon | |
13th | 2007年 | New York City 3/4/93 | |
14th | 2007年 | Falling Into Infinity Demos 1996-1997 | |
15th | 2007年 | Made in Japan | |
16th | 2007年 | Bucharest, Romania 7/4/02 DVD | |
17th | 2009年 | The Making of Falling Into Infinity | |
18th | 2009年 | Train Of Thought Instrumental Demos 2003 | |
19th | 2009年 | Uncovered 2003-2005 | |
20th | 2009年 | Santiago, Chile 12/6/05 DVD | |
21th | 2013年 | Happy Holiday 2013 |
ファンクラブ限定
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット |
1st | 1996年 | International Fan Club Christmas CD 1996 | |
2nd | 1997年 | The Making of Falling Into Infinity | |
3rd | 1998年 | Once in a Livetime Outtakes | |
4th | 1999年 | Cleaning Out the Closet | |
5th | 2000年 | Scenes from a World Tour | |
6th | 2001年 | 4 Degrees of Radio Edits | |
7th | 2002年 | Taste the Memories | |
8th | 2003年 | Graspop Festival 2002 | |
9th | 2004年 | A Sort of Homecoming | |
10th | 2005年 | A Walk Beside the Band | |
11th | 2006年 | Romavarium | |
12th | 2007年 | Images and Words 15th Anniversary Performance | |
13th | 2008年 | Progressive Nation 2008 |
楽曲提供
枚目 | 発売年月日 | タイトル | フォーマット | 備考 |
1st | 2010年 | Raw Dog | PlayStation 3専用ソフト「God of War III」 |