soldatnamn(ソルダートナムン)とは、スウェーデンで16世紀ごろから存在した軍事的な慣習。
「soldat」は「兵士」、「namn」は「名前」を意味する。英語に転ずると「soldier name(ソルジャーネーム)」になろうか。
概要
新兵が部隊に配属された際に、新たなラストネームを付けられるという慣習である。
これは同じ部隊に同名の者が居たとしても紛らわしくないように、という実用上の理由があったようだ。あるいは後述のように勇ましい名前が見られることから、戦意高揚の意味もあったかもしれない。
従軍している間使用されるものだが、除隊した後も使い続ける者が居たようだ。
スウェーデンでは代々受け継がれる名字ではなく、父の名前に「-son(息子)」や「-dotter(娘)」を付けた「父称」をラストネームとして用いていた時代も長かった。アンデシュ(Anders)さんの息子はアンデション(Andersson)というラストネームを用いたのである。しかし兵士の息子が父親のソルダートナムンを受け継ぐケースもあり、さらにその後の世代でも使い続ける事もあった。そのため、いわゆる「名字」として定着して現在も残っているものもある。
新兵に別名をつけるという類似の例はフランスの「nom de guerre(ノムドゲール)」など世界各国で認められるが、それが子供に受け継がれて名字にすらなりうるという点などはやや珍しい。
例
兵士に相応しいイメージの言葉
- Frimodig(大胆不敵な)
- Frisk(新進気鋭の)
- Modig(勇敢な)
- Munter(活気付く)
- Rask(速い)
- Snäll(機敏な)
- Stark(強い)
- Tapper(いさましい)
- Träff(命中する、打つ)
- Villig(熱心な)
武器
- Dolk(ダガー)
- Granat(擲弾)
- Krut(火薬)
- Lans(騎兵用の槍)
- Lod(砲弾)
- Patron(薬莢)
- Sköld、あるいはSkiöld、Skjöld(楯)
- Spjut(槍)
- Svärd(剣)
自然や動物関連
他にも、出身地域など地名を基に名付けられることもあった。