華麗であれ。至上であれ。常に最たる輝きを。
それこそが、我が一族の玉条です
ダイイチルビー(ウマ娘)とは、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクター。
実在の競走馬「ダイイチルビー」をモチーフとするウマ娘である。CV:礒部花凜
概要
誕生日:4月15日 身長:141cm 体重:華麗なる推移 スリーサイズ:B77・W53・H76
世にあまねくその名を知られる「華麗なる一族」の令嬢であるウマ娘。
彼女自身、常にその家名に相応しき高貴なるふるまいを心がけており、
その厳然とした言動はどこか他者を寄せ付けない印象を与える。
2022年8月21日に配信した「ぱかライブTV Vol.20」の中で登場を発表し(発表まとめ)、担当声優も同時に発表した。
その振る舞いは常に高貴で一分の隙もないが、一方で著しく無表情・無感情で、私情を全くというほど覗かせない。
そういった言動から確かに近寄り難いのは明らかだが、時には見ず知らずの人を助けるために自ら働くことも厭わず、時にはいきなり「華麗なる一族について教えてほしい」と問われて普通に快諾する(曰く「秘密ではなく、誰も尋ねて来なかっただけ」)など、雰囲気ほどには冷徹、交流を好まないというわけではない様子である。
教育の一環として様々な技能を嗜んでいるが、その中には護身術なんかも含まれている。
家では「サフィー」という犬を飼っている。「ヒミツ」にてヘリオスの言という形で明かされた設定だが、そのやや斜め上な元ネタは後述。
ルビー曰く、とても賢いため新聞を誰宛てのものか理解して運んできてくれるらしい。
勝負服はいかにもお嬢様然とした上品な紫色のドレス。
SSRサポカ実装より前、キャラの発表から間もない1.5周年記念イラストで他のウマ娘と並んでこれを着ていることで早々にお披露目されていたが、ルビーの場合これを私服として着ているとしても全く違和感がないので、然るべき形で登場するまで勝負服と断定し難い代物であった。
身長141cmという小柄組であるが、モチーフ馬は特に小さかったわけではない。
「お嬢様」
ダイイチルビーのウマ娘化が発表される以前より、ダイタクヘリオスは初登場となるアニメ2期からしきりに「お嬢様(お嬢)」と呼ぶウマ娘の存在を示唆していた。
これがダイイチルビーにあたる人物であろうことは言うまでもないところではあったが、そのウマ娘自体は一切顔を見せず人となりもよくわからないという状態にあった。
しかし、2022年5月に実装されたヘリオスの“相方”であるメジロパーマーの育成ストーリーでは、パーマーが直接会ったことはない「お嬢」のことを「大日如来(ダイニチニョライ)みたいな名前」とうろ覚えしていたり、実際に会って人形のような容姿で拝みたくなるほどの可愛さを感じたりと、やや踏み込んだ描写が見られた。
ゲームでの扱い
育成ウマ娘:華麗なる紅玉
ステータス(☆3) | |||||||||||||||||||
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スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ | |||||||||||||||
99 | 67 | 108 | 83 | 93 | |||||||||||||||
バ場適性 | |||||||||||||||||||
芝 | ダート | ||||||||||||||||||
A | G | ||||||||||||||||||
距離適性 | |||||||||||||||||||
短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 | ||||||||||||||||
A | A | C | G | ||||||||||||||||
脚質適性 | |||||||||||||||||||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||||||||||||||||
G | B | A | A | ||||||||||||||||
成長率 | |||||||||||||||||||
固有スキル『至上であれ』 | |||||||||||||||||||
冷静に走行し終盤突入時に後方付近だと少し前に出て、先頭から4人までのウマ娘をちょっと萎縮させる | |||||||||||||||||||
ウマ娘テンプレートボックス |
- 習得スキル
- 覚醒Lvで習得するスキル/進化スキル
概要
発表から間もない8月24日、サービス開始1.5周年記念のアニバーサリーストーリーにて顔見せ。
9月20日に、サポートカードとしてSSR[嗚呼華麗ナル一族]とR[トレセン学園]が実装。
10月19日に実装されたヤマニンゼファーの育成シナリオにてシナリオ内初登場し、勝負服モデルも追加された。
2023年1月20日に実装されたダイタクヘリオスの育成シナリオでは物語の中心人物の一人として掘り下げられるに至る。
そうして、ヘリオスから少し間を空け、2023年3月10日に育成ウマ娘として実装。
アオハル杯での登場時の中距離適性はEだったのだが、2000mG2で僅差2着やっててEは低すぎと判断されたのか育成版ではギリギリ勝ち負けできるCまで上昇している。もっとも、ゲームでは高松宮杯は条件より名前優先で高松宮記念に代替されているので、目標で中距離を要求されるのはオークス「出走」のみだが。
王道を行ってるはずの母と祖母がなぜか高松宮記念を勝ってるという奇妙な状況は見て見ぬふりをすべきなのだろう……
自身のサポカで初出の「電光石火」を持参。新スキル「威風堂々(プレッシャー)」と固有スキル、さらには進化スキルでデバフ能力にも長けているのが特徴的。脚質適性は広いが、所持スキルの関係でほぼ差し専門。
「威風堂々」は適性的に中盤での発動を狙う形になるが、終盤で加速しきった後に最終コーナーに入る形でも問題はなく、固有スキルはコースに依存しないため、コース次第では適性外の距離帯でも戦えなくはない。
進化スキルの名称は、固有スキルとの組み合わせにより本記事冒頭の台詞にもある華麗なる一族の流儀そのままの文面になるというちょっとユニークなものになっている。
これまで(ヘリオスシナリオ・舞台版)は「短距離路線への移行は苦渋の決断である」という流れで描かれてきたルビーだったが、自身の育成シナリオにおいてはトレーナーとの対話を経て「進む『道』ではなく、『速さ』が華麗なる一族の証たり得る」という考えに至ったことで、後悔なく短距離路線へ進む形となる。
サポートカード
所持スキルは豊富で、デバフの多さが目立つ。具体的は「逃げけん制」「逃げ焦り」「逃げためらい」「抜け駆け禁止」「布石」「束縛」と驚異の6つ。
後方から前方を狙う効果である後者3つは本人の脚質由来なのでまだしも、前者3つになんらかの敵意を感じるのは気のせいではあるまい。
SSR[嗚呼華麗ナル一族]
パワータイプ。
得意率アップ80やスキルptボーナス、初期絆35など、登場時のグランドライブシナリオへの適合性を感じられる部分が多め。
普通の時期に実装された初SSRの通例として勝負服姿なのだが、レースではなく屋敷で佇む姿なので勝負服と言われないと勝負服だとわからない。
レアスキルは短距離あるいはマイル用の後方加速スキル「電光石火」。距離条件が複数に跨ったスキルは初登場となる。
追い抜こうとする必要があるため、対人戦で有効に使うなら他のスキルで誘発させるのとセットになりやすいが汎用性は高く、登場直後のライブラ杯2022からスキル要員として重用された。
グランドライブではパワータイプの採用意義がかなり乏しいためスキル要員でしかないのが難点だったが、続くグランドマスターズシナリオでは編成自由度が増し、パワー上限突破の価値が多少向上したのも手伝ってそれなりに本来の性能を活かしやすくなった。
舞台版ウマ娘
上述の「ぱかライブTV Vol.20」にて続けて発表される形となった。
ルビー役の礒部花凜は元々舞台役者としての活動が多く、ミュージカルも得手としている。「舞台」と銘打っているがミュージカル要素があるため、本作での歌唱においてはしばしば中の人の本気寄りの歌声が炸裂していた。他媒体での歌唱では総じてルビーらしい静かな声色で歌っている。
ダイジェストで描写されるクラシック期あたりの流れはこの時点で実装されていたヘリオスシナリオとそれほど変わらないが、ルビー視点の描写もある分、路線変更前後での感情の動き等も目に見えやすい。
そして、物語のクライマックスが年末のスプリンターズSに置かれており、ヘリオスの想いを受け取り、ミラクルに想いを伝える、終盤の主役とも言える役割を担う形になっている。
関連ウマ娘
- ダイタクヘリオス
- ヘリオスが言うには「つれない」とか「塩い」とかそんな話ばかり。ルビーのいかにもつれなそうな性格が判明した時点ではある種の納得をした人も多かったかもしれないが、ゲーム内でそれほど人付き合いが悪くない様子が見られたことや所持スキルの判明で「ヘリオスにだけ極端に塩なのでは」という説も浮上したが、増えてきた描写からすると「綿密な計画のうえで生活するルビーは突然の誘いを基本的に断る」「ヘリオスは基本的になんでも突然誘う」という単純な噛み合わせの悪さによるところが大きく、ヘリオス自身に対しては特に悪い印象があるわけではないようだ。
史実では大変因縁深く、あちらに片思いされてるなどとまで言われた同期。 - ケイエスミラクル
- 同室。片や家のため、片や自分を生かしてくれた人たちのため、使命に殉じることをよしとするという点で似ているところがあり、少なからず気遣ったりする様子が見られる。
史実では競い合った1歳下の短距離馬であり、ヘリオスとの件に絡めて三角関係にも擬えられた。 - ヤマニンゼファー
- 登場時期が近く、舞台版では共演、1.5周年ストーリーでも同じエピソード内に出てきたりと関連性が強い。交流は上の2人ほど深くはないが、それぞれの育成シナリオでも登場する。
史実ではミラクルと同じく1歳下で対戦は複数あるのだが、どちらかが本領を発揮しない時期での対戦しかないので競い合ったとは言いにくい。ゼファーのシナリオではゼファーがやや早く頭角を表すことになるため、クラシック級で立ち塞がる壁となる。 - ミスターシービー
- サポカイベントに登場。シービー曰く「親の付き合いで顔だけは何回も合わせた」程度の仲。いつものようにフランクに接してはくるが、ルビーの在り方を「窮屈」と感じ、面と向かって皮肉ったりもしているが、ルビーは意に介していない。
モチーフ馬は7世代離れているが同じ父トウショウボーイの馬であり、「親の付き合いで」というのもそれに掛かっているのだろう。 - 母、祖母
- 母は育成シナリオ内で人物として登場する。「華麗なる一族」として、レース引退後も精力的に活動し強い影響力を持っている。ルビーは覚悟を決めて路線変更について申し立てるが、母はこうなることを予期していたようで、むしろ背中を押していた。
現役時の来歴について言及される描写から、史実そのまま母=ハギノトップレディ、祖母=イットーがモチーフなのは間違いないだろう。
史実
1987年生まれの牝馬。父トウショウボーイ、母ハギノトップレディ。
本馬を語るうえで欠かせず、ウマ娘でもそのまま引用された「華麗なる一族」というのは輸入馬マイリー(1953年生)から連なる牝系のことで、ネーミングの由来は1973年発表の同名の小説(およびテレビドラマ)と時代を感じるものだったりする。ダイイチルビーはマイリーから数えて6代目にあたり、重賞クラスの牝馬を立て続けに輩出してきた。
その中でも牝馬二冠を達成した一族屈指の活躍馬を母に、そして当時の内国産種牡馬としては破格の好評価を受けていた「天馬」を父とするこの交配は当時における「夢の配合」の実現であり、生まれる前から尋常でない期待をかけられた。
ところが、生まれた彼女は前脚の蹄の大きさが異なる致命的な奇形持ちであったため、一転してその将来を不安視され、馬主となる買い手は既についていたが調教師からは軒並み敬遠されてしまう。
しかし実際に走る姿は才能に満ちており、それを見た伊藤雄二厩舎に迎え入れられることになった。
馬体の不安から3歳(旧4歳)2月の遅いデビューとなり、武豊を鞍上に迎えて新馬戦と続く条件戦は完勝するも、賞金を積めなかったのが災いして桜花賞は除外。オークスには出走できたものの適性がなかったか5着。当時の三冠目であるエリザベス女王杯は、出走権は取れたがフレグモーネの発症で回避。結局、デビュー直後の2勝のみという期待外れの成績で3歳シーズンを終える。
河内洋へと乗り替わり(以降引退まで騎乗)になった4歳(旧5歳)初戦は僅差の2着に終わるが、ここで思わぬ収穫を得る。「華麗なる一族」は逃げ足に定評があり、そのためルビーも専ら先行で走らせられていたが、ここでは出遅れて後方からになった結果、敗れはしたが鋭い末脚を炸裂させており、差し馬としての能力を示したのだ。
ここからルビーの躍進が始まる。京都牝馬特別(現:京都牝馬S)で10ヶ月ぶりかつ初重賞勝利を飾り、次戦は3着に敗れるが、安田記念の前哨戦・京王杯SCを華麗に勝利。……またこの時、掛かって6着に沈んだ1頭のお馬鹿さんとも出会っていた。
そして本番では、珍しく折り合いがついて10番人気からのG1勝利に迫った穴馬をその末脚で仕留め、古馬になってついにG1の冠を勝ち取る。
次走は高松宮杯。当時2000mであるこのレースは短距離馬の傾向を見せたルビーにはいささか不適な感はあるものの、このレースは母ハギノトップレディ、祖母イットーが共通して勝利した、すなわち勝てば世にも珍しい牝系での三代制覇となるレースであり、G2と言えど是が非でも取りたいタイトルだった。
前走で見せた実力もあって圧倒的1番人気に支持されたルビーの夢をハナ差で阻んだのは、前走では仕留めた青いメンコのアイツ、ダイタクヘリオスだった。
秋のスワンSから再始動となったルビーだが、今度は1歳下の新星ケイエスミラクルのレコードタイムの前に惜しくも敗れる。
そして本番のマイルCS。未だ1番人気のルビー、スワンSの実績から2番人気に評価されたミラクルの末脚が炸裂したその前を爆走していたのは、スワンSで撃沈して5番人気に甘んじていたダイタクヘリオスだった。これがこの3頭による1,2,3フィニッシュが飾られた最初で最後のレースとなる。
続いて、当時12月開催のスプリンターズS。幸いヘリオスは(なんか有馬記念に出るので)不在であり、目下のライバルはケイエスミラクル。実はルビーはここまで1200m未出走であり、1番人気はスプリントを得手とするミラクルに譲った。
結果は、スプリント戦としては破格の4馬身差での圧勝。2つ目のG1勝利、それも当時としては異例の牡牝混合戦での2勝を手にし、年間最優秀5歳以上牝馬・最優秀短距離馬を受賞する。
……一方、途中までルビーの前を駆けていたケイエスミラクルは直線で競走中止、予後不良となっていた。
4歳で華麗なる本格化を果たしたルビー。その期待のまま5歳も現役続行となるも、以降は嘘のように凡走続きだった。高松宮杯三代制覇のリベンジを待たずに5歳春の安田記念を以て引退を決定、繁殖入り。
当然繁殖牝馬としても大いに期待されたルビーであったが、活躍は初仔のダイイチシガーがオークスなどで入着する程度に留まり、ルビー以来「華麗なる一族」の輝かしい歴史を継ぐ牝馬は現れていない。2007年没(享年20)。
恋物語と三角関係
詳しくは本家本元のダイイチルビーの記事なども参照していただきたいが、古馬の1年間で異様な腐れ縁となったダイタクヘリオスとダイイチルビーの間に「雑草とお嬢様の恋愛模様」という妄想物語を見る競馬ファンが続出。「馬なり1ハロン劇場」でネタにされた件などもそれを加速させ、今日まで語り継がれるに至るのであった。
また、一時の輝きながらその間に割って入ってきたケイエスミラクルを交えた「三角関係」とする声もあり、ウマ娘もこのへんの影響を多分に受けたことは論じるまでもないことだろう。
『ウイニングポスト』シリーズでは、特定の条件で現れるスーパーホース(架空馬)としてヘリオスとルビーを配合することで生まれる「ファーストサフィー」が存在するのも有名。
逆に言えば、実際にはこの2頭の配合は行われていない。トニービンとかサンデーサイレンスとかブライアンズタイムとか、ルビーに付けられたのは超一流種牡馬だらけであり、ヘリオスは身分の差に敗れざるを得なかった。なおウマ娘絡みだとエルコンドルパサーとシンボリクリスエスは付けられている(いずれも不受胎or未出走だが)。